1月12日はスキーの日!
全日本スキー連盟など全国のスキー関連団体によって、平成14(2002)年に制定されました。
今回は「アルペンスキー」と「ノルディックスキー」の違いなど、「違いの分かる人」になれるスキーの豆知識をご紹介します。
なぜ1月12日がスキーの日なのか?
日本にスキーが伝来したのは1890年代ですが、本格的な普及の第一歩とされているのが1911年1月12日です。
この日、交換将校として来日していたオーストリア=ハンガリー帝国陸軍少佐のテオドール・エードラー・フォン・レルヒさんが、新潟県で14名の青年将校にスキー技術を伝授。この史実にちなんで、スキーの日は1月12日に制定されました。
ちなみに、レルヒさんはアルペンスキーの創始者マティアス・ツダルスキーさんの弟子。当時、日本陸軍は八甲田山の雪中行軍で事故を起こしたばかりだったので、レルヒさんの持つ師匠譲りのスキー技術を会得しようとしたとされています。
「アルペンスキー」と「ノルディックスキー」の違い
現代スキーの原型は、19世紀後半にノルウェーのテレマルク地方で発展したテレマークスキー(Telemark skiing)とされていて、スキー(skiing)の語源もノルウェー語で「薄い板」を意味するSkiから来ています。
テレマークスキーは、歩く、飛ぶ、滑るを1つの用具ですべて行うものでしたが、そこから歩きは「クロスカントリー(cross-country skiing)」、飛びは「スキージャンプ(ski jumping)」、滑りは「アルペンスキー(Alpine skiing)」と分かれて特化、発展しました。
なかでもアルペンスキーはドイツ語で「アルプスの」という意味の通り、20世紀にヨーロッパのアルプス地方で発展し、上述の通り日本にも伝来。「スキー=アルペンスキー」と認識されるほどの人気を博すようになりました。
現在では、残りの「クロスカントリー」と「スキージャンプ」、そして元々の「テレマークスキー」の3つを含めて「ノルディックスキー(Nordic skiing)」と呼ばれ、アルペンスキーに対比するものとされています。
なお、オリンピック種目である「ノルディック複合」とは、クロスカントリーとスキージャンプの総合成績を競うもの。
また、スキージャンプの着地の際に、両脚を前後に開き片方の膝を深く曲げ、両腕を広げ安定した形をとることを「テレマーク」と呼びますが、これはテレマークスキーでのターン姿勢が語源となっています。
「フリースタイルスキー」と「フリースキー」の違い
フリースタイルスキー(Freestyle Skiing)とは、滑走しながら空中演技(エア)を行うスキースポーツのこと。
1930年代のノルウェーで、アルペンスキーやクロスカントリーのトレーニングの間にアクロバットを行ったのが始まりとされています。
エアの技術を競うエアリアル、凸凹の斜面を滑りながらエアだけでなくスピードとターンも競うモーグルなどがあります。
1979年に国際スキー連盟によって競技種目として承認され、1992年からは冬季オリンピックの正式種目にもなっています。
一方のフリースキー(Free Skiing)とは、正式なスポーツになることでルールが厳格になったフリースタイルスキーに対抗するものとして1990年代ごろから発展した、より危険度、自由度の高いエクストリームスポーツのこと。
半円筒状の斜面で競うハーフパイプや、複数のジャンプ台やレールが設置されたコースで競うスロープスタイルなど、その後のオリンピック種目となるものも生み出しました。
ただ、現在ではフリースタイルスキーとフリースキーの区別は曖昧になり、混在して使われている場合も多いようです。
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