藤井竜王に贈られたパソコン一式は計200万円相当か
AMD Ryzen Threadripper PRO 5995 WXの実売価格はCPUだけで100万円超となっています。マザーボードは17万円程度のASRock WRX80 Creator、128GBのメモリは5万円程度、1TBのSSDは1万円程度で、さらに20万円近いハイエンドのビデオカードも搭載しており、それ以外のケースや電源、その他周辺機器なども含めると、150万円程度と推定されます。
贈られたのはこれだけではなく、他にもパソコン1台分のパーツが提供されています。こちらは、もう少し一般的な16コア32スレッドのAMD Ryzen 9 7950Xやハイエンドビデオカード、メモリなど含めて50万円相当のパーツで、これもかなりのハイエンド向けのパーツになります。
合計すると藤井竜王に贈られたパソコン、パソコンのパーツはおおよそ200万円相当と推定されます。
●贈られれた64コア128スレッドのパソコン
AMD Ryzen Threadripper PRO 5995 WX
ASRock Radeon RX 6950 XT OC Formula 16GB
ASRock WRX80 Creator
CFD Selection W4U3200CM-16GR (DDR4-3200 16GB x 2) 4セット
CFD PG3NF2 CSSD-M2B1TPG3NF2 (PCIe Gen4 1TB)
(出典:AMDの公式Twitterより)
●贈られたパソコン自作用パーツ
AMD Ryzen 9 7950X
ASUS DUAL-RX6750XT-O12G
ASUS ROG CROSSHAIR X670E EXTREME
ASUS ROG STRIX LC II 360 ARGB
Corsair CMT64GX5M2B5600Z40 (DDR5-5600 32GB x 4)
(出典:AMDの公式Twitterより)
CPU性能だけではない将棋ソフト
藤井竜王に贈られたパソコンの金額やCPUのコア数はもちろん注目ですが、今後の将棋ソフトを考えると、ハイエンドのビデオカードが提供されている点も注目ポイントです。
将棋ソフトは大きく分けてCPU系とDL系があります。64コア128スレッドなどのCPUコア数で一気に高速になるのがCPU系で、「水匠(やねうら王)」などが有名です。近年注目されているのがビデオカードを利用して計算するDL系の「dlshogi」などです。
DLとはDeepLearningの略で、近年話題のAIや機械学習で使われている深層学習のことです。DL系の将棋ソフトはこの深層学習を使い、精度高く局面を読めるといわれています。dlshogiは、2021年から2022年にかけてCPU系ソフトを破ることが多かったようです。
今後の将棋研究では、コア数が多いCPUと、DL系が使うハイエンドのビデオカードをうまく使いこなす必要があるようです。今回提供されたパソコンは最強のCPUに、ハイエンドのビデオカードを搭載し、それにもってこいのものといえます。
ただ、GPU系を極めたい場合は、よりハイエンドの他社品もあるため、1番上を目指す場合は、他の選択肢もありますし、クラウドを活用するという方法もあります。テクノロジーとはほとんど関係がなさそうだった将棋も、テクノロジーの進化で新しい局面を迎えています。まだまだ高度になる計算能力をどのように活用するかが重要になっていきそうです。
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