11月20日は毛布の日でした。
国産毛布の9割を生産する大阪府泉大津市の「泉大津毛布まつり」が毎年11月開催であること、日本で初めて毛布が生産されたのが明治20年であることにちなんで、11月20日に制定されました。
今回は「毛布」と「ブランケット」の違い、毛布とふとんのどっちを上にするのが快適なのかなど、「違いの分かる人」になれる毛布の豆知識をご紹介します!
「毛布」と「ブランケット」の違い
毛布とは、羊毛などを厚く織って起毛などの処理を施したもの。洋装文化が広まった明治時代、blanket(ブランケット)の和製語として、毛布と書いて「ケット」と呼ばれました。
つまり、「毛布」と「ブランケット」は、元々は同じものでした。
そんな中、先述の泉大津市の業者たちによって日本製のケットが制作されましたが、当時は羊毛の代わりに牛毛を使ったため、硬くて臭いもきついものでした。
そこで、衣類がダメならと寝具へ方向を転換。明治20年に日本で初めての毛布が完成しました。
元々、綿花の栽培が盛んな地域だったため、綿毛布も作られるようになって、以降、日本での毛布は寝具として広まっていきました。
明治39年に発表された夏目漱石の『坊っちゃん』に登場する毛布も、寝具として使われています。
文中では「けっと」とルビが振られていますが、時代が進むにつれて「もうふ」と呼ばれるようになりました。
このような背景から、現在では「ブランケット」は防寒用の衣類、「毛布」は寝具を指すのが一般的です。
ふとんと毛布、どっちが上?
冬の寒い時期、ふとんと毛布のどちらを上に掛けたら快適に眠れるか、ご存じでしょうか。
正解は、毛布の素材によって変わります。
寝具メーカー西川の公式サイトによると、綿やウールなど天然繊維の毛布は吸湿性が高く、汗を吸って快適な状態を保ってくれるので「ふとんの下に毛布」が推奨されています。
特にウールには湿気を熱に変える性質があるので、より温かく眠れるとのこと。
逆にアクリルなどの合成繊維の毛布は、肌に近い部分で使うと湿気の調節がしづらく、ムレやすくなるため「ふとんの上に毛布」で羽毛ふとんの保温力を高めることを推奨しています。
綿のふとんだと話は別!
ただし、上述の話は羽毛ふとんの場合。綿のふとんだと話は別です。
羽毛ふとんは保温性に優れているため、肌に近い使い方が推奨されますが、昔ながらの綿ふとんの場合はそうではないからです。
では、綿ふとんと毛布では、どっちを上にした方がいいのか?
老舗寝具店ふとんの新保の公式サイトによると、綿ふとんは肌に直接当てると冷たくて寒く感じること、また汗を吸っても湿気が出て行かずにますます冷たくなることから「ふとんの下に毛布」が推奨されています。
毛布の素材も、合成繊維でもよいとのこと。羽毛ふとんほどの保温力がない綿ふとんと合わせるなら、吸湿性の低さよりも保温力の高さをとって、ふとんの下に毛布が正解のようです。
ふとんが上か、毛布が上か。悩んだ時は、お使いの寝具の素材を確かめてみましょう。
【おすすめ記事】
・「蒲団」と「布団」は何が違う? 「違いの分かる人」になれる「ふとんの豆知識」
・なぜ11月11日は「豚まんの日」なの? 「豚まん」と「肉まん」は何が違う?
・「ハンドドリップ」と「サイフォン」は何が違う? 「違いの分かる人」になれるコーヒーの豆知識
・「フィットネスクラブ」と「スポーツジム」は何が違う?「違いの分かる人」になれるフィットネスの豆知識
・「整理」と「整頓」の違いは? 「違いの分かる人」になれる清掃の豆知識