11月11日は豚まんの日! 豚まん発祥の地とされる神戸で開かれた「神戸豚饅サミット」の実行委員会によって制定されました。
今回は「豚まん」と「肉まん」の違いなど、「違いの分かる人」になれる豚まんの豆知識をご紹介します。
豚まんの日が11月11日の理由
豚まんは、1915年に神戸・南京町に出店した『老祥記』の創業者である曹松琪さんが、子どもの頃から食べていた中国の「天津包子」を、日本人好みの醤油味にアレンジして「豚饅頭」と名付けて売り出したものがはじまりとされています。
豚まんの日が11月11日なのは、この『老祥記』が開店した日、ではなく「11」が豚の鼻に見えるからなんだとか。
『老祥記』も参加する「神戸豚饅サミット」の第1回に合わせて制定されたので、11月がイベントを開きやすい季節だったことも日付を決めた理由の1つかもしれませんね。
「豚まん」と「肉まん」の違い
肉まんは、豚まんと同じく中国の包子がルーツですが、日本では大正時代までごく一部の中華料理店でしか食べることができず、味付けも今とは異なるものでした。
現在の肉まんの元祖とされているのは、新宿の中村屋です。創業者である相馬さん夫妻が中国旅行で出会った包子を、日本人向けのあっさりとした味付けに改良。1927年に「天下一品支那饅頭」という名称で販売を開始しました。
豚まんと肉まん、日本で最初に誕生したのは豚まんの方だったんですね。
なお、「豚まん」と「肉まん」の違いは、今日では曖昧なものになっています。「豚肉を使えば豚まん、それ以外を使うと肉まん」とも言い切れず、たとえば中村屋では豚まんも肉まんも販売していますが、どちらも豚肉を使っています。
また、発祥の地が神戸であることと、後述する蓬萊の影響、さらには牛肉文化が浸透しているため単に「肉まん」というと牛肉を想起してしまうこともあり、関西では肉まん全般のことを「豚まん」と呼ぶ場合も多いようです。
「蓬萊」と「551蓬萊」の違い
関西で豚まんといえば「蓬萊」が有名ですよね。お土産で買い求めたことがある人も多いのではないでしょうか。
実はこの蓬萊、スーパーなどで見かけるものと、テイクアウトのものでは、まったく別の会社の商品だということはご存じでしょうか。
両社は大阪の難波にあった『蓬萊食堂』が、創立メンバーによってのれん分けしたもの。3社に分かれましたが、もう1社の「蓬萊別館」はビル事業に転換しています。
蓬萊(株式会社蓬萊本館)は機械化・チルド化による卸売に、551蓬萊(株式会社蓬萊)は手作りの直営店のみでテイクアウト中心に、それぞれ業態がシフトしています。
ちなみに、551蓬萊の「551」とは、本店の電話番号から取ったもの。「味もサービスもここがいちばんを目指そう!」という意味を込めて、1974年から社名と合わせてアピールするようになったそうです。
寒くなってきた今の季節においしい豚まん。ぜひ食べてみてはいかがでしょうか。
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