ここがヘンだよ、ニッポン企業 第3回

イオン、サイゼリヤ、シャトレーゼも…「値上げしない企業」が“称賛”の一方で抱える、特殊な事情

値上げラッシュの中、あえて「値上げしない企業」と聞くと、消費者は「素晴らしい会社だ」と称賛をする。だが、実はそれらの企業には世の中に知られていないある特徴がある。それは……。

「値上げしない」企業は他企業と比べて何が違うのか

では、こんな厳しい時代に「値上げしない」に踏みとどまることができる企業というのは、価格競争から脱落した企業と比べて何が違うのか。
 

よく言われるのは、「スケールメリット」だ。
 

例えば、イオンの「トップバリュ」がなぜ安いのかというと、製造委託先のメーカーに対して計画的に大量に注文をするからだ。メーカー側からすれば工場の稼働率も上がるのはもちろん、先々の生産計画が立てられるため原料などを一括して調達できるので、コストを圧縮して価格を抑えているのだ。また、全国にあるイオンの物流センターを活用して、輸送費のコストを削減している。
 

全国に物流センターがあるイオン

もう1つ大きいのは、「製造直販」だ。つまり、原料の調達から輸送、そして販売まで他社へ委託することなく、全て自社で一括して行うのだ。その代表が「外食における製造直販業」を目指すと宣言しているサイゼリヤだ。
 

《中間に様々な人手が介入すればするだけ意思が通じなくなるばかりか、コストが嵩んでいきます。サイゼリヤは自ら産地に赴き、素材の開発、素材の採り方、保管の仕方、加工の仕方、輸送の仕方に至るまで、すべての工程に踏み入り、品質の向上とムダの削減に取り組んでいます》出典:サイゼリヤホームページ


自前で全てやっているので価格もコントロールしやすい。もちろん、このようなインフラを整備するにはそれだけの資金と手間はかかるので、やはり「スケールメリット」の1つという見方もできる。
 

そこに加えて、ベタな手法だが「効率化の追及」というのも大きい。
 

例えば、シャトレーゼは輸送コストをかけることなく生産をするため、原料を調達する契約農家の近くに自社工場を作る「ファームファクトリー」という手法を用いている。また、同社ではコスト削減策を社内公募する制度もあり、「今年1~5月の5カ月間で採用された提案を全て合わせると、年2億円以上のコスト削減効果が期待できる」(週刊朝日7月15日号)
 

>次ページ:世間的にはあまり知られていない、もう1つの特徴

 

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • AIに負けない子の育て方

    多様化する中学受験…実施校が爆増した「新タイプ入試」「英語入試」に受かるのはどんな子か

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    日本人には日常すぎて衝撃! 外国人が「最高に素晴らしい!」と称賛する日本のいいところ厳選3

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    東海道新幹線の「個室」が100系以来、四半世紀ぶりに復活! 「どこに設けられる?」JR東海に聞いた

  • 「婚活」の落とし穴

    「男らしさ」がしんどい若者たち。「女性より稼いで当然」「デートもリードすべき」と言われても