7月11日は、ラーメンの日!
7月の「7」がラーメンのレンゲ、11日の「11」が箸に見えること、さらに日本で最初にラーメンを食べたとされる水戸黄門こと水戸光圀公の誕生日であることにちなんで制定されました(ただし、2017年に日本初は室町時代だとする別の説も登場)。
そこで今回は、「ラーメン」と「中華そば」の違いなど、知っているようで知らないラーメン用語をご紹介します!
「ラーメン」と「中華そば」の違い
日本にラーメンが本格的に上陸したのは、明治時代。日本のそばと区別するため「南京そば」と呼ばれていました。
南京は江戸時代の明の首都ですが、江戸以降も「南京錠」や「南京玉すだれ」など、中国から渡来したものに名付けられていました。
明治中期には中国の地理的呼称である「支那そば」に変わりましたが、蔑称であると中国政府から抗議があったため「中華そば」と呼ばれるようになりました。
同じく「支那」を語源とするシナチクも、現在では「メンマ」と呼ぶのが一般的です。
その後、1958年に世界初の即席ラーメンである「チキンラーメン」が発売。大ヒットしたことで「ラーメン」という名称が定着しました。
つまり「中華そば」と「ラーメン」は、そもそも同じもので違いはありません。
ただし、たとえば大手チェーン『幸楽苑』では昔ながらの醤油ラーメンを「中華そば」、それ以外のものを「ラーメン」と呼んでおり、同様の区別をする店も多いようです。
「湯麺」と「タンメン」の違い
中国語の「湯麺(タンメン)」とは、スープに入った麺という意味。チャーシューメンなら「叉焼湯麺」と書きます。もしメニューに「湯麺」がある場合、注文すると素ラーメン(具なしのスープ麺)が出てきます。
一方の「タンメン」は、炒めた野菜に塩味のスープを加えた麺料理。神奈川の『横濱一品香』が発祥で、戦後に満州から引き揚げてきた料理人が現地の家庭料理の味を再現したのがはじまりとされています。
日本の中華料理店でタンメンのことを単に「湯麺」と表記する店もありますが、本来、湯麺とタンメンは別物。タンメンを中国語で書くなら「素菜湯麺」などになります。
ちなみに、芸人の河本準一さんがジャッキー・チェンの映画に出てくる定食屋の店員のモノマネとしてテレビ番組で披露した「お前に食べさす『たんめん』はねぇ!」というフレーズが有名になりましたが、これは「言いそうなこと」であり、架空のセリフ。実際の映画では言われていません。
「ラーメンどんぶり」は日本発祥
中国にラーメン専用の器というものはなく、あのお馴染みの「渦巻きマークやそれっぽい漢字が入ったどんぶり」は日本発祥です。
1910年、浅草にラーメン店の原点とされる『来々軒』がオープン。最初の頃は和食のどんぶりを使っていましたが、人気が広がるにつれてラーメン専用のどんぶりを作ることに。
その際、どんぶりを制作したかっぱ橋の陶器卸店『小松屋』が、古代中国で魔除けとして使われていた渦巻き状の「雷紋」、龍や鳳凰の絵、喜びという漢字が2つ連なった「双喜紋」などをデザインとして取り入れたのが、現在よく見る「ラーメンどんぶり」のはじまりとされています。
知っているようで知らないラーメン用語。ぜひラーメンの行列待ちの雑談などで、友達に披露してみてはいかがでしょうか。
【おすすめ記事】
・「パスタ」と「スパゲティ」は何が違う? 知っているようで知らない「パスタ用語」
・「カレーライス」と「ライスカレー」は何が違う? 知ってるようで知らない「カレー用語」
・「ピザ」と「ピッツァ」は違う? 「違いの分かる人」になれるピザ用語
・「ナン」と「チャパティ」「クルチャ」「フォカッチャ」は何が違う? 「違いの分かる人」になれるナン用語
・食パンの「1本」と「1斤」どっちが大きい? 知っているようで知らない「パン用語」