個人間取引の場であるメルカリが、消費者の需要を可視化する取り組みを始めました。メルカリ内の取引価格と流通数量の変動状況を、メルカリの商品カテゴリごとに月単位で「メルカリ物価・数量指数」として発表しています。早速、2022年4月に物価上昇したカテゴリランキングを見ていきましょう。
メルカリ物価指数・数量指数の見方
メルカリ物価指数・数量指数は、価格と流通量の両方の変化から需給のバランスがどう変わるのかを見ることができます。例えば、以下のような見方もできます。
- 需要が増えると、価格が上がり、取引数も増える
- 供給が増えると(出品数が増えると)、価格が下がるものの取引は増える(価格が下がるのを待っているユーザーもいることが考えられるため)
月間約2000万人が利用するメルカリでのトレンドを把握することで、2次流通市場の需給バランスを予測できる可能性もあります。今後は消費者研究やマーケティング研究、トレンドなどを読み解くために利用されるかもしれません。
ここからは、2022年4月のメルカリ物価指数のランキングを見ていきます。
第3位「スマートフォン/携帯電話」
「スマートフォン/携帯電話」の数量指数は、2018年1月からずっと上昇基調です。一方で物価指数はあまり上昇していないのですが、2021年10月にやや上昇し、現在まで過去最高レベルの水準を維持しています。2021年同月比で約1.3倍です。
2021年9月に「iPhone 13」シリーズが発売になりました。新しいスマホの買い替えもあり、それ以前のスマートフォンの出品数が増えますが、以前のスマホを狙っているユーザーの購入も増え、結果的に価格が上がっていったのではないかと推測されます。ちなみに、2022年4月の「スマートフォン/携帯電話」カテゴリの取引件数1位は「iPhone 12 本体」で2021年同月比約6倍となっています。
第2位 チケットカテゴリの「スポーツ関連のチケット」
物価指数が上昇したカテゴリ2位は、チケットカテゴリ「スポーツ」(スポーツ関連チケット)です。数量指数は、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んでしまいましたが、物価指数は緩やかに上昇しています。数量が少ないため、価格が上がっているのかもしれません。2022年4月の物価指数は、2021年同月比で約1.3倍増となっています。
また、チケットに関しては転売も問題視されることが多いですが、転売目的で入手したチケットやプロ野球・Jリーグのチケットは出品禁止となっています。
参考:メルカリびより「主な違反商品」
第1位 ハンドメイドカテゴリ「アクセサリー/時計」
2022年4月に物価指数が最も上昇したのは、ハンドメイドカテゴリ「アクセサリー/時計」でした。
同カテゴリは2020年4月に過去最低の0.88という物価指数をつけましたが、それ以降は、一時的に下がることはあるにせよ上昇トレンドです。もともとハンドメイド商品には一定の需要がある中で、他の人と「かぶらない」商品を求める声も高まっていると思われます。また、作り手(出品者)も高い技術を持って製作しているため、値段が高くても欲しいというユーザーも少なくありませんし、リピーターとなるケースもあります。2022年4月の物価指数は、2021年同月比で約1.75倍増という伸びを示しています。
今回の物価指数や数量指数は、あくまでメルカリでの取引をベースにしています。実際の市場とは違いがあるかもしれませんが、個人間取引市場の動きを見るには参考になる数字ではないでしょうか。今後どんなカテゴリが人気になるのか、気になるところです。
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