今や日本食ともいえるカレー。とても身近な食べ物ですが、カレーライスとライスカレーの違いなど、よくわからないという人も意外と多いのではないでしょうか。
今回は「知ってるようで知らないカレー用語」を紹介します!
日本のカレーとインドカレーの違い
給食に出るような日本のカレーと、専門店で食べられるインドカレーの大きな違いは、カレー粉と小麦粉を使うこと、そしてライスで食べることです。
日本のカレーはインドから直接伝わったのではなく、イギリスを経由しています。
植民地統治をきっかけにインドからイギリスに伝わり、調合スパイスである「カレー粉」が発明されて、さらに小麦粉を加えるレシピが完成。より簡単でとろみのある西洋風料理として、確立しました。
また、カレーをイギリスに伝えたウォーレン・ヘースティングズは、ナンではなく米でカレーを食べるベンガル地方に駐在していたため、スパイスとともに米を持ち帰ったことで、カレーとライスをセットで食べる形で伝わりました。
このカレー粉・小麦粉・ライスのイギリス式カレーが、日本のカレーの原点とされています。
ライスカレーとカレーライスの違い
そもそもは、ライスにカレーがかかっている庶民的なものが「ライスカレー」で、カレーとライスが別々に提供される高級なものが「カレーライス」という区別がありました。
『阪急百貨店二十五年史』によると、1959年のメニューにおいて、大食堂の「ライスカレー」が70円、グリルでは「カレーライス」が100円で提供されていたんだとか。
ただし、高度経済成長やレトルトカレーの普及に伴ってだんだんと区別がなくなっていき、今日ではどちらも総じて「カレーライス」と呼ばれるようになりました。
『北の国から』の脚本家でもある倉本聰さんが手がけたテレビドラマ『ライスカレー』(1986年放送)には、時任三郎さん演じる青年が、田中邦衛さん演じる義兄に「ライスカレーとカレーライスは何が違うんですか?」と尋ねるシーンが。当時の若い世代にとって、すでに区別が曖昧だったことがわかります。
ドラマの中でカレーとライスが別々になっているものを食べた田中邦衛さんは「これはカレーライスだ」「ライスカレーは、こんな偉そうなカレーとは違うんだよ」と激怒。「ライスカレーは最初から飯の上にカレーがだらーっとかかってるんだ」と熱弁しています。
ドライカレーとキーマカレーの違い
ドライカレーとキーマカレーはよく似ていますが、実は生まれた国も違う、まったく別の料理です。
ドライカレーは、日本発祥。挽き肉と野菜とカレー粉を炒めて水分を飛ばしたカレーで、欧州航路船「三島丸」の日本人コックが長旅で食欲不振になった乗客のために考案したとされています。
ただし、現在ではカレー風味の炒飯やピラフも「ドライカレー」として販売・提供されている場合もあります。
一方、キーマカレーはインド発祥。「挽肉のカレー料理」という意味なので、特定の調理法があるわけではありません。日本のドライカレーに似たものもあれば、スープタイプや肉団子タイプのキーマカレーもあります。
逆にいえば、ドライカレーも、カレー炒飯も、カレーピラフも、挽き肉を使って作れば「キーマカレーの一種」といえます。
知ってるようで知らないカレー用語。カレーを食べるときに、参考にしてみてください。
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