地元に住んでいれば普通に読める地名でも、圏外からの来訪者には全く読めない地名というものが日本全国各所に存在します。こういう地名に対し、勝手な読み方をして、地元の人から笑われたり、よそ者ということがバレてしまったりした経験、皆さんにはないでしょうか。
みんなでつくる地域応援支援サイト「生活ガイド.com」は2022年3月、「思わず噛んじゃう市ランキング」トップ10を発表。このランキングは、地名を声に出す際、噛んでしまいがちな言いにくい市ばかりを紹介した興味深いものですが、筆者はこのランキングを見て愕然としました。言いにくいだけでなく、難しい漢字ばかりがランクインしており、地元以外の人は読めないものが多かったからです。
今回はこの「思わず噛んじゃう市」ランキングTOP10を、その漢字の難しさにフォーカスしつつ紹介していきます!
10位:秩父市(埼玉県)
まずは10位の埼玉県の秩父市を見てみましょう。正しい読み方は「ちちぶし」で、関東圏では観光スポットの1つとして有名であることから、浸透度は高い地名であると言って良いでしょう。ただし市内には「長瀞(ながとろ)」「小鹿野(おがの)」「横瀬(よこぜ)」と県外の人は一瞬読み間違えてしまいそうな地域が複数あります。
自然美にあふれ、風光明美なエリアとして知られる秩父市もまた、その読み方・言い方は独特の語感を持つ地域と言って良いと思います。
同率7位:筑紫野市(福岡県)
同率7位の市は3つあります。まずは福岡県の筑紫野市。「ちくし」という名字の方がいることから、「ちくしのし」という正しい読みをできる人は多いはずです。一方、言葉に発してみると、やはり少々言いにくく確かに本来のランキング趣旨の「噛んじゃう」印象は強いです。
この名の由来は古事記の国生み神話にあると言われ、かつては古代九州の総称が「筑紫(つくし)」と呼ばれ、その中心にあったのがこの地域であるのだそうです。
同率7位:羽曳野市(大阪府)
同率7位は、大阪府の羽曳野市。正しい読み方は「はびきのし」で、その名の由来は古事記、日本書紀に登場する古代英雄・ヤマトタケルノミコトにまつわると言われています。
没後、白鳥となり天高く飛び去ったというヤマトタケルの「白鳥伝説」に由来し、「羽を曳くが如く」といった語源からこの名になったと言われています。「白鳥伝説」とゆかり深い白鳥陵古墳など、市内には古代ロマンを感じられる名所があることでもよく知られています。
同率7位:南足柄市(神奈川県)
同じく7位は、神奈川県の南足柄市。神奈川県の西端にあるエリアですが、正しい読み方は「みなみあしがらし」。少々長く、滑舌が悪い人だと聞き取りにくそうな名称ですが、漢字自体はさほど難しいものではなく、普通に音読みすれば間違えることなく言えそうな感じもします。
この「足柄」という名前の由来は、「足のスネからコウのような、なだらかな傾斜」のことを指し、同エリア内の山々が同じように山頂からふもとの傾斜がなだらかであることから名付けられたと言われているようです。