三菱UFJリサーチ&コンサルティングは4月6日、厚生労働省の 「毎月勤労統計調査」などをベースとした、「2022年夏のボーナス見通し」を公開しました。
レポートによると、2022年夏の民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)のボーナスは、前年比1.0%増の見通しです。一方、国家公務員(管理職および非常勤を除く一般行政職)のボーナスは同11.5%減と予想しています。
民間企業の22年夏のボーナスは2年ぶりに増加へ
民間企業の2022年夏のボーナスは、1人当たり平均支給額「38万3949円」(前年比1.0%増)で、2年ぶりに増加に転じる見込みです。
コロナ禍の影響が一回りしたことで、飲食業や娯楽業といった対面サービス業のボーナス支給額減少に歯止めがかかると同時に、2021年10〜12月期の企業の経常利益(全規模、金融保険業を除く全産業、季節調整値)が、2018年4〜6月期(コロナ禍前)に次ぐ過去2番目の高水準を記録するなど、順調に回復していることが要因と見ています。
ただし、新型コロナ感染症の断続的な影響や、ウクライナ危機前から続く資源価格高騰により企業が負担するコストが嵩んでいることなどがあるため、ボーナス支給額の回復は力強さに欠けるとも付け加えています。
「支給労働者数」と「支給労働者割合」も増加し支給総額は15.7兆円
「支給労働者数」と「支給労働者割合」を見ると、支給労働者数は前年比1.5%増の4102万人で2年連続の増加。支給労働者割合は同0.8%増の80.1%でこちらは3年ぶりに上昇しています。
コロナ禍で業績の急激な悪化により、ボーナス支給を一時的に取りやめていた事業所での支給再開が影響しているものと見られています。
これらの増加を反映し、2022年夏のボーナス支給総額(1人当たり支給額×支給労働者数)は、前年比2.4%増の「15.7兆円」となる見通しです。
製造業、非製造業ともに平均支給額増加との予想
業種別では、製造業で1人当たり前年比1.8%増の「50万1356円」、非製造業では同0.9%増の「36万910円」と、いずれも増加と予想しています。
コロナ禍からの回復が先行した製造業での増加が大きい一方、対面サービス業など、コロナ禍の影響が部分的に残る非製造業は、相対的に小幅な増加となっています。
公務員のボーナスは大幅な減少となる見込み
国家公務員の2022年夏のボーナス平均支給額は前年比11.5%減の「58万4900円」と大きく減少すると予想しています。
給与法改正が、2021年冬のボーナス支給に間に合わなかったことの調整(0.15カ月分の減額)や、同法改正による年間支給月数の減少を夏冬で均等に配分した分(0.15÷2=0.075カ月分)も加わり、0.225カ月分引き下げられたこと、さらに基本給の減少などが要因とされています。
コロナ禍での民間企業のボーナス大幅減が公務員のボーナスにようやく織り込まれる形となり、2022年冬のボーナスも、引き続き大幅な減少が見込まれるとしています。
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