2021年に発売されたミステリー本の中で、特におすすめの4作品を紹介します。ミステリー本を探している人は、ぜひチェックしてみてください。
(1)『N』道尾秀介(集英社)
全部で6章が収録されています。どの章から読んでも1つの長編へと変貌する斬新な連作短編集です。6章あるので、720通りの読み方ができます。読む順番によって、物語に対する捉え方が変わるのが魅力です。
それぞれの章は、独立した短編としても楽しめます。人によって好みが異なるので、何度も読み直したくなる遊び心満載の作品です。章ごとに文字の印刷が逆さまになっていて、装丁も工夫されています。新感覚の読書を楽しみたい人におすすめです。
(2)『硝子の塔の殺人』知念実希人(実業之日本社)
現役の医者である著者初の本格ミステリー。504ページもある厚い本ですが、一気読み必至です。ミステリー好きの大富豪は、地上11階・地下1階の尖塔(せんとう)に刑事や霊能力者、小説家などのゲストを招きます。しかし、次々と惨劇が起こることに。
最初に犯人が分かるものの、意外な展開に驚くこと間違いなしです。壮大などんでん返しが待ち受けています。ミステリーの作品名や著者名が随所に登場するのも魅力。館ものや本格ミステリーが好きな人は要チェックです。
(3)『黒牢城』米澤穂信(KADOKAWA)
「このミステリーがすごい!」や「週刊文春ミステリーベスト10」などの4大ミステリーランキングを制覇した作品です。事実をベースに描かれた壮大なストーリー。
織田信長を裏切って有岡城にこもっていた荒木村重は、織田方の軍師で、説得にきた黒田官兵衛を幽閉していました。そんなときに難事件が発生。村重は黒田官兵衛に推理を求めます。ラストは、官兵衛の思惑に唸るはず。安楽椅子探偵や時代ものが好きな人にぴったりです。
(4)『馬疫』茜灯里(光文社)
「第24回日本ミステリー文学大賞新人賞」を受賞した作品です。2024年にパリで行われるはずだった五輪が、コロナの影響で再び東京で開催されることに。そんな中、五輪提供馬が「馬インフルエンザ」を発症します。
さらに、ウイルスは馬が凶暴化する「狂騒型」であることが判明。東京五倫は開催できるのでしょうか。著者は獣医師で大学教員。今だからこそ、リアリティをもって読める作品です。
以上、2021年のベストミステリー小説を4作品をピックアップしました。何を読んだらよいか悩んでいる人は、手に取ってみてはいかがでしょうか。
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