早稲田実業学校中等部(2020年)
(8)朝比奈あすか『人間タワー』(文藝春秋)運動会の花形競技、多くの学校で6年生が演じることが多い組体操の「人間タワー」がテーマとなった物語。近年その危険性から実施の是非が問われている組体操のピラミッド。教師、親、子どもそれぞれの想いが交錯するストーリーに共感できる小学生は多そうです。同じ年、同校で出題されたのは、村上春樹『シドニー!』でした。
広尾学園(2020年・2021年)
(9)榎本博明『教育現場は困ってる』(平凡社)小学校からはじまる英語教育や、アクティブラーニングをはじめ、実用性が重視される昨今の教育改革に警笛を鳴らす一冊。教育を受ける子どもだけでなく、中学受験を含め子どもの教育について改めて考えたい保護者が手に取りたい本といえそうです。
(10)『何のための「教養」か』(筑摩書房)
中高生向けの新書「ちくまプリマ―新書」も、中学受験ではよく出典として選ばれます。「教養とは?」という素朴で身近な疑問、大人でも即座に回答できないぼんやりとした問いに哲学者である著者が向き合った一冊です。
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これから身につけてほしい教育や教養、向き合ってほしい旬のテーマから有名古典作品まで、多彩な作品が並んだ共学校編。中には小学生高学年の子どもにはハイレベルな文章もありますが、大人も一緒に読める興味深い作品ばかり。読書が苦手な子であれば、まずは同年代の少年・少女たちを主人公にした小説が比較的読みやすいかもしれません。夏休みの本選びにぜひ参考にしてみてください。
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