文学からエッセイまで! 2020年・2021年度難関女子中学で出題された本は?
難関中学の国語の入試問題として出題された作品をピックアップ。「桜蔭中学校」「豊島岡女子学園中学校」「女子学院中学校」「雙葉中学校」「浦和明の星女子中学校」「フェリス女学院中学校」、以上6校の2020年・2021年の入試問題に注目。手に入りやすい本を中心にご紹介します。
桜蔭中学校(2021年)
(1)稲垣栄洋『はずれ者が進化をつくる 生き物をめぐる個性の秘密』 (筑摩書房)「個性」とは何か?「ふつう」とは何か?「区別」とは何か?「多様性」とは何か?「らしさ」とは何か?「勝つ」とは何か?「強さ」とは何か?「大切なもの」は何か?「生きる」とは何か?進化に成功した生物たちが教えてくれる「人間らしさ」。旬のテーマ「多様性」について凝縮された中学受験頻出の一冊です。
豊島岡女子学園中学校(2021年)
(2)内田樹『先生はえらい』(筑摩書房)
『はずれ者が進化をつくる 生き物をめぐる個性の秘密』と同じ、「ちくまプリマ―新書」から。中高生向けの入門的な新書として2005年に創刊し、大人の学びなおし書としても人気の新書シリーズです。インパクトあるタイトルですが、先生は「えらい」ものだと思うことで広がる学びの世界、あたらしく興味深い教育論です。
女子学院中学校(2021年)
(3)梯久美子「風船スケーターの不条理」※『好きになった人』(筑摩書房)収録
数々の賞を受賞してきたノンフィクション作家、『散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道』で有名な梯久美子によるエッセイ。小学生には認知度が低そうな作家ですが、出題部分の「風船スケーターの不条理」は著者の子ども時代の話。比較的共感しやすいかもしれません。
雙葉中学校(2021年)
(4)小川洋子「キリコさんの失敗」※『偶然の祝福』(KADOKAWA)収録
中学入試の出典としてはおなじみ小川洋子の小説。7つの短編から構成される『偶然の祝福』の中のひとつの物語「キリコさんの失敗」は、過去に他の女子中学でも出題されたことのある人気作品です。女子校受験を予定している人は、一度触れておくとよさそうです。
浦和明の星女子中学校(2021年)
(5)いとうみく『朔と新』(講談社)
朔(兄)と新(弟)、2人の兄弟をめぐる家族のストーリー。同じ年に、栄光学園中学、ラ・サール中学など、人気難関中学で出題されたことで話題になった小説です。ブラインドマラソンというテーマもあり深い作品なので、今後も要チェックかもしれません。
フェリス女学院中学校(2021年)
(6)山鳥重『「わかる」とはどういうことか』(筑摩書房)
「わかったつもりになっていないか?」と何度も自問自答することになる受験生。「わかる」という身近なテーマを掘り下げ、「わかった」とき脳に何が起きているかを解き明かしてくれる興味深い一冊です。
>>次ページでは2020年入試で出題された話題作を厳選
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