東京五輪観戦ガイド! 花形競技「陸上」で注目の種目は?

東京五輪の「後半の花形競技」陸上競技は7月30日(金)から始まり、最終日の8月8日(日)まで実施されます。陸上競技の中でも、筆者が注目している陸上の種目を5つに絞って紹介します。

陸上競技は7月30日から! 注目の種目は?

東京五輪が、いよいよ開幕しました。陸上競技は7月30日(金)から始まり、最終日の8月8日(日)まで実施されます。五輪の陸上競技は花形競技と言われますが、自国開催に向けた強化もあり、昨今は日本記録の更新が目立ち、勢いあるままに五輪開幕を迎えています。
 

筆者は陸上競技を長らく見てきていますので、みなさんにも全種目注目してほしいのですが、中でも筆者が注目している陸上の種目を、5つに絞って紹介します。

1:男子100m

100mは陸上競技の花形競技で、桐生祥秀選手が2017年に9秒98の日本記録を樹立してから、続いてサニブラウン・A・ハキーム選手が9秒96に塗り替え、さらに2021年になって山縣亮太選手9秒95を出すなど、日本記録の更新が続いています。そんな国内での厳しい戦いを勝ち抜いて今回の東京五輪に出場するのは多田修平選手、山縣選手、小池祐貴選手。
 

世界記録が9秒58と世界との距離はまだあるけれど、地の利を生かして、1932年ロサンゼルス五輪の吉岡隆徳選手以来の決勝進出なるかに注目してみてみるといいかもしれません。

  • 日程:(予選)7月31日(土)、(準決勝、決勝)8月1日(日)
 

2:男子4×100mリレー

男子4×100mリレーは、過去の大会から見てもメダルに近い位置にいると言えるでしょう。100mの自己記録から見ても選手個々のレベルも上がっており、リレーのメンバー常連だった桐生選手でさえ出場できるかどうか当日までわからない、という選手層の厚みがでてきました(100m、200mに出場するメンバーを中心にリレーメンバーが選ばれる予定です)。
 

2016年のリオデジャネイロ五輪では銀メダル、2017年のロンドン世界陸上と2019年のドーハ世界陸上では銅メダルとメダル獲得が続いています。得意のバトンパスと掛け合わさって、どんな結果になるか楽しみでもあります。

  • 日程:(予選)8月5日(木)、(決勝)8月6日(金)
 

3:男子110mハードル

110mハードルも、注目種目です。日本からは3人出場しますが、中でもメダルに近いと言われているのが泉谷駿介選手です。6月に行われた日本選手権で13秒06を記録して優勝、五輪への切符を勝ち取りました。
 

110mハードルの従来の日本記録は13秒16でしたから、大きな記録更新でした。この13秒06の記録は、2016年のリオ五輪では2位相当、2012年のロンドン五輪でも3位相当で、さらに今季の世界3位に値していることからも(7月1日現在)、メダルに近いといえる裏付けにもなっています。この素晴らしい記録を引っ提げて、大舞台でどこまで戦えるのか、見守りたいです。

  • 日程:(予選)8月3日(火)、(準決勝)8月4日(水)、(決勝)8月5日(木)
 

4:マラソン

マラソンも、陸上競技では100mに並ぶ花形競技。男女ともに、東京五輪代表選手の選考に「MGCシリーズ」を導入し、盛り上がりました。MGCシリーズとは、指定期間での規定タイムをクリアした選手たちによる一発選考レースのことで、このレースの結果で男女4名が東京五輪の代表に内定。残りの男女各1名は、MGC後の指定期間内のレースで最速の選手を選出するというものでした。
 

こうした「仕組み」を作ったことにより、男子では日本記録の更新や好タイムを出す選手が続出。男子では、東京五輪への最後の1席を、大迫傑選手が日本記録(前日本記録)を更新して勝ち取りました。マラソンは世界とは記録の面ではまだ差がありますが、国内での勢いをそのままに、強豪であるアフリカ勢にどれだけ立ち向かえるか、注目です。
 

一方の女子は酷暑の条件下で行われたMGCを圧勝した前田穂南選手、スピードに長けている一山麻緒選手と鈴木亜由子選手とタイプの違う選手が出場。女子マラソンはかつて五輪連覇も果たした「お家芸」ともいえる種目。東京五輪で復活なるかに注目です。

  • 日程:(女子)8月7日(土)、(男子)8月8日(日)
 

5:男子競歩

競歩は、複数のメダル獲得が可能な種目です。ルールは複雑で、歩型フォームの規定違反によってはレース中、レース後の失格もあり、肉体的にも精神的にも過酷な種目の一つです。

20km競歩は、山西利和選手が有力。中国勢がライバルとなりそうですが、高温多湿の2019年のドーハ世界陸上で金メダルの実績があります。
 

50km競歩も2016年のリオ五輪では銅メダルを、2017年のロンドン世界陸上でも複数メダルを獲得しています。直前にコンディション不良により代表選手が入れ替わりましたが、日本選手の層は厚いため、連続メダルが期待できる種目です。

  • 日程:(20km)8月5日(木)、(50km)8月6日(金)
 

最後に……

他にも、女子1500mに日本勢2人が初出場することになったり、男子3000m障害でも日本記録が更新されていたり、勢いがあります。陸上競技は7月30日から閉会式のある8月8日まで毎日何かしらの競技があるので、テレビ放送やネット配信などで観戦してみてはいかがでしょうか。


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