図鑑といっても、最近ではさまざまな種類があり、実にバリエ―ションが豊富です。アンケートの回答からも東大生が読んでいた図鑑は「恐竜図鑑」「宇宙の図鑑」「昆虫図鑑」「動物図鑑」「図鑑各種」など多様。そこで今回は、親も驚く活字中毒が奏功したのか中学受験の国語をほぼ対策ゼロで乗り切ったわが子のお気に入りも含めてご紹介します。
魚、昆虫、動物、恐竜……オーソドックスな図鑑シリーズ
図鑑といえば、書店にずらりと並ぶ王道のシリーズ。まずは馴染みやすい動物や昆虫、男の子なら恐竜も鉄板です。長年シリーズで展開している下記3社のシリーズから見ていきましょう。■迫力のビジュアルで大ヒットした講談社『MOVE』シリーズ
2011年に創刊した講談社の『動く図鑑 MOVE』は、今年の7月で創刊から10年という記念の年だそう。全30冊、シリーズ累計480万部を突破したとのこと(講談社公式サイトより)。NHKとコラボした美しい動画が盛り込まれたDVDが魅力です。創刊当時、小学館と学研のツートップだった図鑑界に革命を起こし、発売してすぐに大ヒットとなり話題となりました。
MOVEは他社の図鑑と比較してサイズがひとまわり小さいのも特徴。シリーズでそろえるとかなりのボリュームになります。限られたスペースに収納しておくことと、小さい子の手で扱うことも考えると小さめサイズがよいと判断した記憶があります。
■長い歴史に裏付けされた工夫で子どもの好奇心をくすぐる小学館『NEO』シリーズ
小学館の『NEO』シリーズは2002年創刊。小学館の図鑑そのものは60年以上の歴史があります。最近は、芦田愛菜ちゃんのテレビCMでもおなじみですね。NEOとは「Nature(自然と生物)」「Earth(地球と宇宙の)」「Origin(起源をたずねて)」ということばの頭文字。21世紀を生きていくために必要な、好奇心と学ぶ心をそだてるというコンセプトです。
実際に、好奇心をくすぐるような豆知識的な情報が細やかで豊富。そのジャンルにすでに詳しい子でも満足できる充実した内容です。DVDにドラえもんが出てくるのも、小さい子の導入としてはポイントが高いですね。
『カブトムシ・クワガタムシ』『イモムシとケムシ』『飼育と観察』など、かなりマニアックなラインナップも。好きな分野をより深めたい子に響くのではないでしょうか。
『NEO POCKET』シリーズ、実物の大きさで掲載する絵本『原寸大』シリーズ、NEO+(プラス)『くらべる図鑑』、プレNEO『せいかつの図鑑』など、NEOブランドで多様な図鑑や書籍を展開しているのも特色。
■“LIVE”感を重視した写真と本物クオリティの学研『LIVE』シリーズ
2014年6月創刊の「学研の図鑑LIVE」はスマホでスキャンすると3Dの動く動物が見られるなど、スマホとの連動も特徴。DVDに収録されているBBCの映像も美しいと評判です。
構成や写真など、図鑑そのものの印象は伝統的でレトロ。昔ながらの安定感あるザ・図鑑という印象で、本物志向の人が相手でも安心して贈り物にできそう。「LIVE」というだけあり、生っぽさ、クオリティにこだわった写真が見ごたえがあります。
人気のテーマ別に興味を持ってもらえるような問題を100問集めた『学研のクイズ図鑑』なども展開しています。
■満を持して図鑑界に登場し大注目! 角川『集める図鑑GET!』シリーズ
水の中の生き物、危険な生物、毒のある生き物、ふしぎな生き物など、さまざまなテーマで生き物を集めた図鑑はもちろん、科学系や乗り物まで多彩な展開が魅力的な大手出版社の図鑑。シリーズでそろえるときには、「子どもが手に取ったものを買う」というのが鉄板です。実際に読む子どもが気に入ったものを購入してあげたいですね。あえて同シリーズにこだわらず、好みのテーマを複数のシリーズからピックアップしても楽しいかもしれません。
■持ち歩きできる小さい図鑑も便利
お気に入りの図鑑を持ち歩きたいと言い出す子は多いので、ポケットサイズの図鑑も要チェック。出先で気になった動植物をその場でじっくりと調べられますね。
『学研の図鑑LIVE』(学研プラス)シリーズのポケット図鑑やクイズ図鑑、小学館の図鑑 『NEO POCKET』(小学館)、MOVEシリーズからも『MOVE mini』(講談社)がそれぞれ存在しています。
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