観光地などでテレワークをし、「休暇を取りながら働く」といった意味合いで浸透してきたこの造語。しかし、『月刊総務』を発行する月刊総務が全国の総務担当者178名を対象に行った「ワーケーションに関する調査」では、未だ8割以上(85.4%)が「導入を検討したことはない」などの結果が出ました。その内容を詳しく見ていきましょう。
約半数がワーケーションを「なんとなく理解」
まず、ワーケーションとは何か知っているか尋ねたところ、「よく理解している」が22.5%、「なんとなく理解している」が55.1%、「言葉は知っているが内容は理解していない」が18.5%、「言葉を聞いたことがない」が3.9%という結果に。加えて、自身の会社では「ワーケーションの導入を検討したことはない」という方が、85.4%もいることが判明しました。
「仕事と休暇の線引き」や「労働管理」が懸念点に
今回の調査では「社員のワーク・ライフ・バランスが向上する」(59.4%)「従業員満足度が向上する」(56.5%)などのポジティブイメージがある一方で、ワーケーションにどんなネガティブなイメージがあるかも質問。すると、「仕事と休暇の線引きがあいまいになる」が67.4%で最も多く、「マネジメントがしづらい」が65.9%、「労務管理が難しい」が65.2%と続きました。
「導入で不安なこと」については、「ルールや公平さを保てるかどうか」「公私の区別。労働時間の管理。 見えないため、本人の自己申告によるところが大きい分不安」「旅行に仕事を持ち込むことがマストになりかねない」といった意見が集まりました。
また、「導入に踏み出せない理由」では、「経営者への説得が困難」「セキュリティリスクの問題がある」「テレワークもおぼつかない状況のため」などが主な理由となりました。
様々な課題をどうクリアするかが今後の鍵に
今回の調査では、ワーケーションの実施に踏み切っている企業はほんのわずかで、施策として課題や不安が多くあることがわかりました。セキュリティや労務管理に対する課題をどうクリアするのかという壁は大きく、実施事例が少ないので対応法や効果のイメージがつきにくいという意見もありました。
テレワークの環境整備は一通りできていても、「ワーケーション」となると、まだまだハードルが高いようです。地方のワーケーション可能な施設等の情報が不足しているという声も複数あり、ワーケーションを受け入れる自治体側の発信不足も一因と考えられます。
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