あしたのチームは5月18日、「コロナ禍のテレワークと人事の課題」に関する調査結果を発表しました。全国20~50代の会社員で、2020年3月~2021年3月の1年間に平均週2日以上テレワークをした人、または平均週2日以上テレワークをした部下のいる人を対象に実施。その結果、テレワークに不便を感じているのは20代が多いことが明らかになりました。
「テレワークをやめたい」20代が最多で67.4%
1年以上テレワークをする中で、「テレワークをやめたい(オフィス等へ出社する形で仕事をしたい)」と感じたことがあったかの問いに、「あった」と回答した割合が最も多いのは20代で、「よくあった」「時々あった」を合わせて67.4%という結果となりました。
反対に、40代50代では、「あった」と「なかった」の割合はちょうど半々となり、年代によって意識差が見られました。
20代「テレワークをやめたい」理由1位は「業務上の不便が多いから」
20代の「テレワークをやめたい」と思った理由1位は、「業務上の不便が多いから」で45.2%でした。2位は「気軽に相談がしにくいから」で35.5%、3位は「仕事が単調になりがちだから」で32.3%。
また、「孤独だから」「上司・部下・同僚とお互いに仕事ぶりが見える方が安心だから」との理由も3割近くの29.0%に昇り、会社に人が集まることによって得られていたメリットがなくなったことへの不便さや不安を感じている人が多い様子です。
テレワークと出社の両方の利点をうまく得られる働き方の模索が、今後求められていきそうです。
管理職がテレワークで失ったもの1位は「雑談の機会」
管理職が部下の育成やマネジメントに関して、テレワークによりできなくなった(少なくなった)と思うこと1位は、「雑談により本人の状況・状態を知る機会」で48.0%でした。2位は、「部下の異変に気付く機会」「気軽に相談を受ける機会」が同率で43.2%でした。
テレワークの状況下では出社しているときとは異なり、自然と生まれた雑談で部下の近況を知れる機会や、部下の表情や雰囲気のちょっとした変化に気づく機会が取りにくいのでしょう。部下のSOSの気配も、大いに評価すべき変化も見逃してしまうことがあるかもしれません。この1年間で、部下の育成やマネジメントにおいてテレワーク下ならではの難しさを感じている管理職が多いことがわかりました。
テレワークでは、相手の都合のよいタイミングを見計らうことが難しく、声をかけにくくなりがちです。特に、部下から上司へはより気をつかってしまうことが考えられますが、上司からの声かけだけでなく、部下からも気軽に相談できるような工夫が必要となってくるでしょう。
本調査では、「最も円滑なコミュニケーションがとれると感じたツール」を聞いたところ、20代では「チャット/SNS」をメールや電話より支持することも明らかになりました。部下の状況・状態を把握し、すぐに対応するために、若手社員が好むチャットやSNSを大いに活用することが、テレワーク下における人材育成やマネジメントのポイントとなるかもしれません。
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