ダブルで教育費がかかる場合、どうやって準備する?

教育資金の準備は、どの年齢のお子さんがいらしても一定の悩みがあります。幼稚園・保育園から大学、大学院、留学まで考えれば、期間として20年以上教育にかかわりますし、子どものためにいい教育を受けさせたいという親心もありますから、どのような進路になっても対応したいというお客様は多いような気がします。
 

今回は双子のお子さんがいらっしゃるご家庭をクローズアップしながら、一度にダブルで教育費がかかるキャッシュフローを確認していきましょう。
 

一度に子育てが終わるから……なんて思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、一度に2倍の教育費がかかるのは切実な問題です。例えば3年後に30万円、6年後に50万円の資金を準備するところ、一気に80万円の資金がかかることになりますので貯蓄を取り崩すこともあり得ます。
 

今回の事例のAさんは、双子の女の子が生まれたばかりの32歳会社員です。ご相談内容はお子様の進路を中学から私立に行かせたいとのことですが、貯蓄ができない可能性もあるので、老後資金をどれくらい準備できるのかを知りたいとのことでした。
 

▼相談者

Aさん(32歳、会社員):年収400万円(55歳に600万円となるように給与上昇、55~60歳までは400万円で一定)、退職金800万円
 

▼家族構成

  • 配偶者(32歳、会社員):年収300万円(60歳まで300万円で一定)、退職金500万円
  • 長女(1歳)
  • 次女(1歳)
    ※子どもの進路は2人とも、【私立幼稚園→公立小学校→私立中学校→私立高等学校→私立大学】を想定

 

▼家計補足

生活費:約25万円/月
特別支出(旅行):20万円/年
住宅ローン:110万円/年(ローン残高2800万円)
住宅関連費用:36万円/年
預貯金:300万円/年
 

このままだと家計収支はどうなる?

まずは現状のシミュレーションはこちらです。
 

▼1~20年目のシミュレーション

Aさんの現状ライフプランシミュレーション(1)

お子さんが生まれて間もなく教育費を考えているAさんだけに、支出部分はきちんと管理されていますので、特段目立つような出費がありませんでした。しかし、私立中学校をご希望でしたので13歳からの子供関連費が通常の2倍となり、支出の教育費の比重が大きい印象です。
 

▼21年目以降のシミュレーション

Aさんの現状ライフプランシミュレーション(2)

また60歳で退職される設定でしたので、60歳から年金受給の65歳まで収入がありません。そのため教育費関連のマイナスと働いていない期間のマイナスが影響してきます。結果、Aさんの65歳時点の金融資産は-4万円でした。65歳時で金融資産のマイナスが出てしまうと、私立中学校をあきらめるべきか否か悩んでしまいますが、あきらめる前に対策を練ってみることにしましょう。
 

私立中学校への進学をあきらめる前に……Aさん一家ができる対策

Aさんご一家がとれる対策は以下のようなものがあります。

  1. 早めの資産運用
    ・つみたてNISA:毎月夫婦合計で6万6000円の積み立て
    ・iDeCo:毎月夫婦合計で2万4000円の積み立て
  2. 長く働く(ご夫婦とも70歳まで働くことに変更)
    ・本人(60~70歳):年収100万円
    ・配偶者(60~70歳):年収100万円

一般的な対策は「収入を増やす」「支出を減らす」「資産運用をする」「目標額を変更する」の4点です。


Aさんの場合は「収入を増やす」「資産運用をする」の2点の対策を実行した場合に、“お子さんの私立中学入学”と“老後資金”の問題をクリアできそうでした。
 

対策後のシミュレーションはこちらです。
 

▼対策後のシミュレーション(1~20年目)

Aさんの対策後ライフプランシミュレーション(1)

早くから資産運用に向けて可能な範囲で積み立てをしていくことで長期投資が可能になるため、着実に資産を増やすことができます。
 

▼対策後のシミュレーション(21年目以降)

また60歳以降の収支のマイナスを少しでも減額するため、ご夫婦で働く年齢を10歳延ばしました。結果、65歳時点で4528万円の金融資産を保有することができました。

Aさんの対策後ライフプランシミュレーション(2)

※milize proは未来をシミュレーションするもので断定をするものではございません。税金や年金等データにつきましては出典元より掲載しておりますが法改正等により変化することをご了承ください。
 

教育費で貯蓄を取り崩さなくても大丈夫な方法もある

双子のお子さんがいらっしゃるご家庭の教育費は一度に大きな出費がかかります。しかし、流動資金と運用資金をきちんと分類することにより、多額の教育費で貯蓄を取り崩さないといけない場合でも、別で資産運用をすることで老後資金の準備ができます。


また収入は将来の金融資産に一番影響を与える項目ですので、健康である限り長く働くことの選択もされてみると良いでしょう。
 

この記事を執筆したのは……

荻野 奈緒美
株式会社MILIZE所属のCFP認定者。フリーアナウンサー。WOWOWアナウンサーを経て、その後フリーに転身。NHKBS「週刊シティ情報」などを担当し、講演会・イベントでのMCなど多方面で活躍。経済番組に出演したのをきっかけにFP資格を取得。 現在はFPとして相談業務や執筆活動も行っている。
 

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