昨年の10月に小学校受験で合格をいただいたお子様が、春から可愛らしい制服に身を包んで通われる姿を、今か今かと待ち遠しくされている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
 

昨今は大学試験の内容が変わることもあり、内部進学希望者が増え、小学校受験者数は年々増加しています。しかし小学校受験はお金がかかるというイメージもあり、あきらめてしまう方もいますよね。
 

そこで今回は、平均年収600万円(月収38万円)のご家庭を例に、私立小学校に通えるのか検証していきたいと思います。

 

まず私立小学校に通うには……

まず、私立小学校への合格の道として、幼児教室に通うことも考えられます。もちろん、年に数回行われる全国模試の場合のみで、他は参考書を購入して合格されたケースもありますが、一般的には幼児教室に通い、受験する学校がどのような試験内容かを把握することから始まります。
 

内容は各学校で異なりますが、ペーパーテスト・運動・集団行動・制作・面接などです。ひとつの幼児教室で全部フォローすることも可能ですが、お子様によっては3つ4つ掛け持ちで教室に通われている場合もあります。
 

このように、ご家庭によって受験対策は様々ですから、月々3万~10万円以上のケースと開きがあります。
 

私立小学校の入学金や諸経費は?

では実際、入学されてからは毎月どのくらい教育費としてかかるのでしょうか?
 

よく指標としてだされる学費としては、小学校から大学まですべて私立だった場合は2,000万円といわれています。今回はmilizeのライフプランシミュレーションに搭載されているデータの中から見ていきましょう。

こちらのデータは学校活動以外の課外費も見込んでいますが、この金額に驚かれている方もいますよね。一般的に16歳前後から教育費がかかるケースが多いのですが、小学校から私立となりますと、7歳前後から100万円以上の教育費が16年間続くことになります。
 

教育費は、入学金や学費、塾代など費用がかかる時期までに貯蓄しておくのがお勧めなのですが、私立小学校ですと貯め時がほとんどないままに、教育費に追われる生活になります。ですから、お子さんが生まれた時からしっかり家計管理やライフプランを練っていかなくてはなりません。
 

年収600万円のご家庭で検証!

ではさっそく年収600万円のご家庭で検証していきましょう。
 

<年収600万円のケース> ※給与変動なし・物価上昇1%

本人:28歳(会社員)

  • 家族:配偶者28歳(専業主婦)、子2歳
  • 年収:600万円
  • 生活費:毎月20万円
  • 住居費(賃貸):毎月15万円
  • 貯蓄:300万円
  • 塾代(4歳から2年間):50万円/年


▼家計収支のシミュレーション

家計収支シミュレーション表

お子様が小学校入学時から大学までの16年間、収入より支出の方が上回っているという結果になりました。
 

▼金融資産の推移

下記は金融資産グラフになっていますが、300万円の貯蓄を取り崩し、30代半ばからは赤字続きの家計という結果がでてしまいました。生活費はお子様2歳の時点で20万円にしていますが、お子さんが成長されるとともに生活費も増えていくでしょうから、とても厳しいものがあります。

金融資産推移表

 

改善策は……?

厳しい現実に落ち込んでしまいたくなりますが、諦めずに対策をしていきましょう。対策案としては、やはり収入を上げていくのが一番でしょう。今や夫婦共働きが当たり前のような時代ですので、奥様がお子様の手が少し離れた際に働かれるのが得策ではないかと思います。
 

では、配偶者がお子様7~12歳の小学生の間は月15万円でパート、お子様13歳の中学生以降は少し長く働ける環境で月20万円の仕事をしたとします。


結果、世帯収入が増えたので、収支を支出が上回ることはなくなり、貯蓄の取り崩しもなくなりました。
 

▼改善後の家計収支のシミュレーション

加えて世帯主の給料が少しずつ上昇することを見込んで変動率(55歳まで0.5%、以降600万円に一定)をかけてみてみましょう。先ほどまでの赤字家計が見事にプラスに転じて収支のバランスが一層安定しました。

配偶者が働き、世帯主の給料が上昇した場合の、家計収支シミュレーション表

 

▼改善後の金融資産の推移

家計に余裕ができたら、金融資産から1年間の生活費や緊急費用を差し引いた金額を資産運用資金に回すこともできそうです。

家計改善後の金融資産推移表

 

まとめ

今回のケースでは、配偶者も働くという選択肢の結果、世帯年収が増えることで家計に余裕が出ました。しかし、住宅事情、旅行や家電買い替えなどの特別支出、家族のライフイベントなどの支出項目は各家庭によって様々です。
 

将来のライフプランを作成することにより、不可能だった目標も可能になることがありますので、マネーイベントの目標を設定された段階で、一度ライフプランを作成されることをお勧めします。
 

この記事を執筆したのは……

荻野 奈緒美

株式会社MILIZE所属のCFP認定者。フリーアナウンサー。WOWOWアナウンサーを経て、その後フリーに転身。NHKBS「週刊シティ情報」などを担当し、講演会・イベントでのMCなど多方面で活躍。経済番組に出演したのをきっかけにFP資格を取得。 現在はFPとして相談業務や執筆活動も行っている。
 

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