なかでも注目されているのが東京科学大学です。理工系の定員の1割超が女子枠となったことで一般選抜の枠が狭まり、一般枠の倍率や難易度がさらに上がったとも言われています。この女子枠で入学した現役学生のカンダさん(仮名)にお話を聞きました。
早稲田の指定校を取り止め、国立の「女子枠」に挑戦
カンダさんは首都圏の私立高校出身です。両親がエンジニアだったこともあり、理工系学部を志望して勉強をしていましたが、国立大学には手が届かないのではと不安になりました。「浪人はしない方針だったので、早稲田大学理工学部の指定校推薦をとりたいと先生に相談しました」
すると、担任からはこんな言葉が返ってきました。
「模試の偏差値からして早稲田理工なら一般選抜でも十分受かるよ。指定校を使うのはもったいない。国立を目指そう。東京科学大学の女子枠も受けてみたら?」
両親に相談すると、母は「一般選抜の前にもチャンスがあるなら出願しないと損だよ」と勧めました。父は「理系なら国立の方がいい」と望みつつ、「女子枠っていう制度、どうなんだろう。男女に差はないと思って育ててきたのに」と漏らしたそうです。
予備校からは「東京科学大学の総合型選抜は難しい。女子枠もハードルは高い」と言われました。東京科学大学の2026年9月4日配信のリリースによると、「大学入学共通テストの成績では、2025年度は最低点・平均点とも総合型選抜女子枠合格者が一般選抜合格者を上回り、2026年度は最低点が同程度、平均点は女子枠合格者が上回りました」とあります。
しかし、カンダさんは指定校推薦を使わず、一般選抜と女子枠を併願することにしました。
結果、一般選抜では慶應義塾大学、東京理科大学、芝浦工業大学に合格。東京科学大学の女子枠にも合格し、東京科学大学への進学を決めました。
オープンキャンパスにも足を運んでいたので、「あんな最高の環境で学べるなんて幸せだ」と期待に胸を膨らませたと言います。
「逆差別だ」女子枠批判に戸惑う
大学受験が全て終わったので、久しぶりにX(旧Twitter)を開いたカンダさんは、タイムラインを眺めるうちに言葉を失います。「女子枠は逆差別だ」「女子枠のせいで一般選抜の枠が削られた」という女子枠批判の投稿が次々に流れてきたのです。
父が指摘したように批判があることは知っていましたが、ここまで大きな論争になっているとは思っていなかったと言います。
「自分が受かった入試そのものが、こんなに大勢の人に否定的に語られているんだと分かって、なんとも言えない気持ちになりました」



