今回は、プールのメンテナンスや学校プールにまつわるさまざまな課題について、現役小学校教師の松下隼司先生にお聞きしました。
(質問)
夏休み中、学校のプールはどうしているのですか?(回答)
夏休み明けにもプールの授業がある場合は、休み中にも水質の確認などをします。どういうことか、詳しく解説します。
誰も入らなくても「毎日メンテ」が必要? 夏休みのプールから水を抜けない納得の理由
夏休み中のプールメンテナンスの有無は、夏休み明けにプール授業があるかどうかで変わってきます。メンテナンスが必要な場合は、主に体育主任や管理職が行います。プールの水は放っておくとすぐ藻が生えて緑色になってしまうため、出勤したら塩素を入れたり濾過(ろか)器を回したりします。ただし、濾過器自体も回しっぱなしはよくないため、退勤前には止めます。基本的にはこの作業を毎日行っています。
ちなみに学期中の水泳期間は、上記のメンテナンスのほかに1〜2週間に一度、水を入れ替えます。塩素を入れていても濁ってくるため、定期的な入れ替えが必要になるのです。
「夏休み中、誰も入らないなら水を抜いておけばいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、プールの水は学校の「防火水槽」の役割も兼ねているため、空っぽにすることはできないのです。
「プール中止」はなぜ起きる? 酷暑と安全の間で悩む先生たちの苦悩
保護者世代だと「夏休みに学校のプールが開放されていた」という思い出がある方も多いかもしれません。しかし現在、こうした取り組みはほとんど行われていません。コロナ禍をきっかけに縮小した側面もありますが、それ以上に大きいのが「暑過ぎて入れない」という現実です。
現在、学校では環境省が発表する「暑さ指数(WBGT)」を基準にプール授業の実施を判断しています。この基準を厳格に守ると、通常の体育授業すらほとんどプールに入れない地域も少なくありません。
実際、過去にシーズン中1回しかプール授業ができなかった年もありました。
そこで、各学校ではルールは守りつつも、例えば1回の授業時間を通常よりも短くしたり、プール開きの時期を前倒し、もしくは後ろ倒しにするなどの対策を取っています。
それでも、今度は雷注意報や台風などもあるので本当に難しいところなのですが……。私だけに限らず、多くの先生たちは「子どもたちがプール授業を経験する機会の確保」と「安全面の両立」に悩んでいると思います。



