【アイテムの誤解】「うちの子は泳げるからライジャケは必要ない」のわな
3つ目はライフジャケットなどの「アイテム」です。ここで陥りやすいのが、「うちの子は泳げるから必要ない」という誤解です。ライフジャケットは泳ぐための道具ではなく、「浮力を確保し、救助を待つ時間を引き延ばす命綱」です。泳げるかどうかに関わらず、子どもだけでなく大人も着用すれば、「水辺では着るもの」という意識を親子で共有できます。
また、足元には脱げにくいアクアシューズを選べば、サンダルが流されて追いかける事故そのものを防げます。
さらに、現場に着いたら「監視員へ一言あいさつする」ことも有効な対策です。
「今日の流れはどうですか?」と声をかけるだけで、その日の波や流れ、危険な場所が分かるだけでなく、監視員に家族の人数を認識してもらえるため、万が一の際の発見が劇的に早くなります。
監視員がいない川などの場所では、応急手当バッグを準備し、最寄りのAEDの場所を事前に確認することをお勧めします。
「溺れたらどうするか」より「溺れないための準備」を
子どもが溺れた際、家族は動揺して冷静に行動できなくなります。だからこそ水難事故対策は「予防が8割、あるいは9割」です。天候を確認し、危険なら予定を変更する。泳力を過信せず、ライフジャケットや脱げにくい靴を準備し、子どもから目を離さない。
「知識」「泳力」「アイテム」の本当の意味を理解し備えることが、大切な命を守る第一歩になります。夏のレジャーがよい思い出となるよう、ぜひ家族で取り組んでみてください。
すがわら えみさんNPO法人AQUAkids safety project代表理事。大阪芸術大学 卒業後(株)リクルートホールディングス入社。その後、水泳インストラクターとして障がい児水泳指導に携わった後、2019年に子どもの水難事故予防を目的としたAQUAkids safety projectを設立。2020年に、水に流されたサンダルなどを追いかけて起こる事故を防ぐための啓発キーワード「#サンダルバイバイ」を考案し、全国で水辺の安全教育を展開している。
この記事の執筆者:廣田 美絵子
大手化粧品会社で人事部にて採用・教育・広報を担当。その後教育系のベンチャー企業を経てフリーランスで取材・編集・執筆を行う。キャリアコンサルタントでもあり、人のキャリアや生き方にフォーカスした記事執筆を得意とする



