(質問)
「なんとなく会社に行きたくない……」五月病? それとも転職のサイン?
(回答)
そのモヤモヤを一時的な心の疲れ(五月病)で片づけてしまうのはもったいないかもしれません。不調の原因を冷静に切り分け、自分のキャリアと生活の解像度を上げる機会にしてみましょう。
以下で詳しくお話しします。
「行きたくない」不安の正体は人間関係? 五月病をきっかけに、自分を整えるヒント
4月は、組織の変更や新入社員の受け入れなど、職場全体がバタバタと動く時期です。5月に入って新年度の緊張が緩むと、張り詰めていた糸がふっと切れてしまうことがあります。漠然とした不安や「行きたくない」という気持ちから、「五月病かも?」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。実際、『女の転職type』が行った調査でも、半数以上の人が「五月病を感じたことがある」と回答しています。
ストレスの正体を「切り分けて」考えてみる
なぜ「なんとなく」と感じてしまうのでしょうか。それは、自分自身でもストレスの本質に気づけていない場合があるからです。例えば、最初は「仕事内容への不満」が不調のきっかけだと思っていても、その本音をさらに深掘りしていくと、「上司と合わない」「チームの雰囲気になじめない」といった人間関係の悩みが隠れていることは少なくありません。このように無意識のうちにストレスの原因を別の何かに置き換えてしまっていることがあります。実際、『女の転職type』が行った2025年の働く意識調査でも約4割の人が転職理由に「人間関係」を挙げています。周囲との関係性は、仕事の満足度に直結する非常に重要な要素です。
もし、今感じる違和感の正体が人間関係にあると感じるなら、まずは何が自分のストレスになっているのかを具体的に整理してみることが大切です。以下の2つの視点で「切り分けて」考えてみましょう。
・「特定の個人」との相性の問題か?
特定の人との関係が原因であれば、関わり方を工夫したり、物理的に距離を置いたりすることで状況が改善する可能性があります。上司や人事に相談し、配置の見直しを打診するのも有効な手段です。
・「組織全体の風土」の問題か?
チーム全体の空気感や、会社の文化そのものに自分がなじめない場合、個人の努力だけで環境を変えるのは困難です。この場合は、今の職場が「自分を生かせる環境かどうか」を冷静に判断し、外の世界に目を向けるタイミングかもしれません。
このように原因を切り分けることで、今の場所で調整を試みるべきか、あるいは新しい環境を探すべきかといった、次にとるべきアクションが見えてきます。
上司への相談で、会社の「対応力」を確認
漠然とした不安を抱えているとき、職場に対して「申し訳ない」「頼りないと思われるかも」という遠慮から、1人で抱え込んでしまいがちです。しかし、自ら環境改善を打診することは甘えではなく、むしろ社会人として健全なアクションといえます。相談の際は、感情をぶつけるのではなく、環境の変化や気になっていることなど「事実」を中心に伝えるとスムーズです。原因が自分でもよく分からない状態でも構いません。あわせて、その相談に対して、上司が業務調整など具体的な解決策を一緒に考えてくれるかどうかも確認してみてください。上司や組織が「社員の困りごとにどう向き合うか」という本質を知るための、1つの重要な判断材料になるはずです。
5月の転職市場を「心のお守り」に
今の職場以外の選択肢を持っておくことは、今の状況を客観的に見つめ直す余裕を与えてくれます。実は5月は転職活動の視点からも、以下のようなメリットがある時期です。・選考がスムーズに進みやすい
4月の入社ラッシュが落ち着き、人事や現場の採用担当者が一人ひとりの選考にじっくり向き合える余裕が生まれるため、丁寧な対話が期待できます。
・自分のペースで納得のいく企業探しができる
年度末などのピーク時に比べると応募者の動きも少し落ち着く傾向があるため、焦らずにじっくりと自分に合う環境を検討しやすい時期です。
まずは求人サイトに登録してキャリアの棚卸しをする、あるいは求人情報を眺めてみるだけの「ゆるゆる転職活動」でも十分です。こうしたアクションを通じて「今の職場以外の選択肢」や「市場価値」を知ることができ、自分の本音を整理する貴重な機会となります。
まずは自分を整え、理想の環境を整理する
今の状況を打破しようと、アクションを起こすのは大事なことです。しかし、冷静に自分を客観視して納得のいく選択をするためには、まず土台となる自分自身の状態を整えることが欠かせません。5月のモヤモヤは「自分ファーストの環境」を整理するきっかけ。心身を整えた上で、自分が何にストレスを感じやすく、どんな環境なら心地よいと感じるのかを改めて考えてみましょう。そして、上司や周りの人に今の状況を話してみる、あるいはこれまでのキャリアを棚卸しして、客観的な視点で自分の可能性を見つめ直してみる。そんなステップから始めてみてはいかがでしょうか。
この記事の執筆者:
小林 佳代子
『女の転職type』編集長
新卒で(株)キャリアデザインセンター入社。転職情報誌及び転職サイト『type』『女の転職type』で、1000社以上の求人広告制作に携わる。2018年『女の転職type』編集長に就任。プライベートでは2児の子育て中。 女の転職type■https://woman-type.jp/ type■https://type.jp/
...続きを読む



