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鎮痛剤を飲めばすぐ働ける、という大きな誤解
大吉:鎮痛剤を飲めばすぐ働けるようになるんだろう、っていうのも間違いだって知らなきゃいけない。男性に多いと思いますよ。だって広告で見る女性たち、みんなそうだから。高尾:痛みに負けずに仕事もプライベートもアクティブに過ごせる! っていうイメージがありますね。そうなる人もいないわけではないと思いますが。
でも考えてみると、こうしたイメージは鎮痛剤にかぎったものではないですよね。エナジードリンクの広告で24時間仕事をしようというメッセージがあったり、風邪薬の広告で、薬ですぐに対処して仕事を休まないのがいいことだと描かれたりしてきました。
女性が生理で休めない、休まないというのは、こうした「つらくても、がんばるのがよいこと」といった考えが社会のベースにあるのと、決して無関係ではないと思います。
大吉:風邪でも仕事を休まないっていう広告はコロナ禍を境になくなったんじゃないかな。体調に関する社会の受け止め方がすごく変わったと感じます。「体調が悪ければ休みましょう」が当たり前の時代になってきました。
高尾:大吉さんもコロナ禍では、何度かレギュラー番組を休まれましたよね。
大吉:朝、家で検温したら37.5度を超えていたから、休む判断をしました。いままでならまさに「ドリンク剤飲んで、行くか!」でしたが、そこは変わりましたね。
プロとしてどうかという声もあったかもしれませんが、ぼくの代わりはいくらでもいるんですよ。これは決して、ネガティブな意味ではなく。
高尾:そうそう、本当に誰も代われない仕事って、総理大臣など、日本でもひとり、ふたりぐらいじゃないですか。むしろ、それぐらいであったほうがいいと思います。誰かが代わってくれると考えると、休みやすい。
大吉さんは、自分のコンディションをよく保つのも仕事の一環だと意識なさっていますよね。それは私もなんですが、これからはそこに「体調が悪ければしっかり休む」も加えていくといいですよね。
なぜ休めない? 「生理休暇」という名前のわな
大吉:日本人はなかなか休まないから、休むと言われたら「なんで?」って聞いちゃう。そのときに「生理です」と言いにくい女性は多いんじゃないですか。高尾:はい、言いにくいですね。でもそこまで伝える必要はまったくなくて、「体調が悪いから」だけでいいでしょう。これが行き渡ると生理だけでなく、その先にある更年期による不調でも休みやすくなりますし、男性も体調不良を事細かく報告しなくてよくなりますよ。
大吉:生理休暇があっても休めないという話はよく聞きますよね。ぼくが思うに、生理「休暇」って言葉が変わるといいんじゃないですか。生理のつらさを知らない男性からすれば、「休暇」って聞くとアウトレットでも行って楽しんでいるんだろう、って印象なんですよ。
高尾:たしかに!
大吉:育児休暇もそうなんですけど、仕事せずに楽しているっていうイメージをもつ世代はいまでもいますよね、残念ながら。
高尾:生理については「療養」など、もっとあてはまる言葉がありそうですね。呼び方を変えるの、いいアイデアだと思います!
大吉:生理痛がつらい女性はためらわずに病院へ。生理痛のつらさがもっと伝わるような「生理休暇」に代わる名称を募集。そして男性も女性も関係なく、みんな体調が悪ければ休む! これが、目下の課題ですね。 【この書籍の執筆者】
博多 大吉 プロフィール
お笑いコンビ「博多華丸・大吉」。吉本興業所属。1971年生まれ、福岡県出身。NHK「あさイチ」司会。コンビではTHE MANZAI2014優勝、単独では2015 年IPPONグランプリ優勝。NHK 「あさイチ」や日本テレビ系列「人生が変わる1分間の深イイ話」の生理特集では、的を射た発言に世の女性たちから賞賛の声が寄せられた。
高尾 美穂 プロフィール
医学博士・産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。イーク表参道副院長。ヨガ指導者。著書に『いちばん親切な更年期の教科書【閉経完全マニュアル】』( 世界文化社)、『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』( 講談社) など。NHK「あさイチ」などメディア出演多数。トレードマークのヘアスタイルは絵本の「タンタン」がモチーフ。



