実はその空気、生理痛に苦しむ人たちを長年追い込んできたものと同じかもしれません。見た目ではわからない痛みは軽視されやすく、「それくらいで?」という無理解を生みがちです。
本記事では、NHK「あさイチ」でもおなじみの博多大吉さんと産婦人科医・高尾美穂先生が語り合った書籍『ぼくたちが知っておきたい生理のこと』(辰巳出版)より一部を抜粋・編集。
大吉さんの「かつては怠けていると思っていた」という率直な告白を交えながら、“つらいときに休めない社会”の是非を考えてみましょう。
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「怠け」だと思ってた。博多大吉の率直な後悔
大吉:世の中の多くの男性って、生理痛をナメてる節があると思うんですよね。高尾:生理痛を過小評価しているという意味ですか?
大吉:はい、女性が生理のときにお腹が痛くなること自体は、テレビで鎮痛剤のCMも流れてくるし、男性だって大半は知っているわけです。でも、イヤな言い方をしちゃうと「毎月あるんだから慣れるものなんじゃないの?」ぐらいの認識なのかもしれない。ぼく自身もそうでした。
だからこれまで仕事中に「生理中でつらい」「お腹が痛いから休みたい」なんて言われると、怠けているだけなのでは、と思ったときもありました。生理痛で亡くなった人なんて聞いたこともないし、大げさなんじゃないかなって。
高尾:いまは変わりました?
大吉:一度知ったら、変わらざるをえませんよね。きっかけはやっぱり「あさイチ」です。つらい思いをしている女性の声を聞いたり、専門家に解説してもらったりして、こんなにしんどい人がいるんだって衝撃を受けました。
いままで本当に知らなかったんですよ。普通に生活しているように見えるなかにも、肉体的、精神的にものすごくきつい思いをしている人がいたかもしれないと、はじめて思い至りました。若いころにちゃんと知っておけば、彼女なり同級生なりにもっと気遣いができたのにな~! ってなりましたよ。
時代が変わっても痛みは変わりませんよね。だからぼくが知らないままに、つらい思いをしている人は常に周りにいたんだろうなって思います。
つらいときに休めない社会は、誰もがつらい
大吉:自分に置き換えてみて、たとえば奥歯がずきずき痛いまま1日中仕事をしなければならないと考えると、無理ですよ。何もできない。それが数日つづく、さらに毎月起こると想像したら……これは女性のみなさん、休みましょうよ! 親しい相手なら「頼むから家で寝といてくれ!!」って言いたいくらい。
もちろん雇用形態や職場の状況にもよると思いますが、調子が悪いときは休み、すっきりしてから復帰して、パフォーマンスを発揮するほうがいいと思うけどなあ。
高尾:「休んでよくなるなら、休む」と考える女性は少なくないと思うんですよ。でも腹痛はだいたいよくなるけど、生理は「またどうせ来るんだよね」となっちゃう。
大吉:しかもそれが1日休んで終わりじゃなく、何日もつづく人もいるってことですよね。これほんと、男性も知っておかなきゃいけないことだと思います。知らないから、具合が悪そうな女性にかける言葉を間違うことがある。お互いにとって不幸ですよね。
高尾:「休むと周りに迷惑をかけるから」と思っている女性も多いですよ。でもそれって、お互いさま。性別問わず誰にとっても、体調が悪くてパフォーマンスを発揮できない日は必ずあります。大吉さんがおっしゃったように奥歯が痛くなることもある。どれだけ体調管理に気をつけていても、事故に遭うかもしれない。



