「高学歴は民主党、大衆は共和党」常識が覆ったアメリカ。世界を振り回すトランプを支持するのは誰か?

同盟国への負担要求など、連日世界を振り回すトランプ大統領。なぜ彼は強気でいられるのか? 実はデータを見ると「エリートの民主党、大衆の共和党」という強烈な分断と熱狂が見えてきます。早稲田大学教授・中林美恵子氏が解説。(画像:PIXTA)

熱狂的でも「3選」は不可。共和党独占のトリプルレッドは続くか

トランプ大統領が約半数のアメリカ国民から熱狂的に支持されていても、3年後には新しい大統領が選出されることになります。アメリカ合衆国憲法では大統領の3選は禁じられているからです。

さらに言えば、2026年には中間選挙が行われます。アメリカでは選挙のたびごとに、大統領職および連邦議会の上下両院の議席で共和党と民主党が頻繁に入れ替わります。

現在は、共和党がすべてを独占する「トリプルレッド」ですが、2026年の中間選挙以降も同じ状況が続くかどうかはわかりません。

白人支持層は減少? データから読み解く有権者の「乗り換え」

そこで次に、2025年7月1日に、アメリカの世論調査会社「ピュー・リサーチ・センター」が発表した、2024年大統領選挙に関する調査結果を見てみましょう。

1万人の同じ回答者が、2020年と2024年の大統領選挙での投票行動をどう変えたのかを調べたもので、選挙ごとの出口調査よりも正確な投票動向が分析できるといわれています。

多少わかりにくいかもしれませんが、簡単に説明しましょう。
投票先の変化
投票先の変化(画像出典:『日本人が知っておくべきアメリカのこと』
2020年の大統領選挙では、バイデン氏32%、トランプ氏29%、投票しなかった人38%でした。2024年の大統領選挙では、ハリス氏31%、トランプ氏32%、投票しなかった人36%でした。

ところが、個人の投票履歴をみると、2024年の選挙で投票行動を変えた人が一定程度いることがわかります。図では、それが太さの違う曲線で表されており、太い線は人数が多いことを示しています。

2020年に投票しなかった人を見ると、2024年にはある程度の人がハリス氏とトランプ氏にそれぞれ投票していることがわかります。

一方で、2024年に投票しなかった人では、2020年にバイデン氏に投票した人のほうがトランプ氏に投票した人よりも多いことがわかります。

最後に、2016年からの3回の大統領選挙での政党支持率を人種別に見た調査結果を紹介します。
人種別:トランプ支持率
人種別:トランプ支持率(画像出典:『日本人が知っておくべきアメリカのこと』
興味深いことは、2016年と2024年を比べると、トランプ支持層に占める白人の割合が10%ポイント減少したのに対して、アジア・ヒスパニック・黒人の割合が増えていることです。
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次なる決戦「2026年中間選挙」。激変するアメリカ政治の勝敗を分ける“意外な層”
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