女性宮家だと「光熱費」すら説明不能? 民間人男性を皇族にする「制度上の大混乱」を竹田恒泰氏が危惧

皇族数減少への対策として議論されてきた「女性宮家」構想。女性皇族が結婚後も皇室に残る制度ですが、実際にはさまざまな課題も指摘されています。制度上の論点を整理しながら、竹田恒泰氏が提唱する解決策を紹介します。(画像:工藤 直通/アフロ)

旧皇族男子を迎える「養子案」という選択肢

私は小泉内閣のときから一貫して、「旧皇族の男系男子を養子として迎える」案を提唱してきました。

実は、旧皇族を皇室に復帰させる方法には大きく分けて2つあります。一つは、法改正によって旧宮家——たとえば東久邇宮(ひがしくにのみや)家、賀陽宮(かやのみや)家、竹田宮(たけだのみや)家などを制度上復帰させるという方法。

もう一つは、旧宮家そのものを復活させるのではなく、そこに属する男系男子を、現在存続している三笠宮(みかさのみや)家や高円宮(たかまどのみや)家などの宮家が養子として迎え入れ、宮家を継承してもらうという方法です。

かつての保守派の政治家や有識者の多くは、前者の「旧宮家の制度復活」案を主張していました。しかし私は、歴史的先例と制度上の現実性から、後者の「養子案」のほうが優れていると考え、これまで提案し続けてきたのです。

「養子案」が制度的に現実的な理由

なぜ養子案が現実的か。いくつか理由があります。

まず、予算法案を新たに通す必要がありません。旧宮家をそのまま復活させる場合、新たな宮家ごとに予算措置が必要となります。「何人が皇室に復帰し、年間どれほどの予算が必要か」など、細かな財政審議をともなうため、国会での審議が煩雑になります。

一方で、旧宮家の男子を養子として迎え入れて、現在の宮家——たとえば三笠宮家や高円宮家を継承させるのであれば、皇室経済法の枠内で処理できます。国会で予算案を新たに通す必要がなく、立法手続きとしてははるかに円滑です。

さらに、制度復帰案では復帰した宮家が事実上「誰にも指導されない独立した宮家」になってしまう懸念があります。

名目上は天皇陛下が皇族の総監ですが、復帰後の新しい宮家に対して天皇陛下が直接ご指導なさるのは現実的ではありません。

また、皇族方はお互いに遠慮なさる傾向が強いため、新設された宮家が誰からの教育も受けられないまま、孤立するような事態も想定されます。

その点、養子として既存の宮家に迎え入れられた場合、現当主が「皇族としての振る舞いや皇族としてのしきたり」などを責任をもって伝授・指導することができます。次代への引き継ぎが自然な形で行われ、皇族としての一貫性と統制が保たれるのです。

いわば、糸の切れた凧のような宮家にならずに済むということです。

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養子案が「政府主導の制度復帰」より円満に進む理由
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