世界基準の親があえて我が子に「日本の公立小」を選ぶ理由。世界を知る映画監督が下した“意外な決断”

イギリス人の父と日本人の母を持ち、インターナショナルスクールや海外留学を経験した映画監督の山崎エマ氏。多様な選択肢がある中で、なぜ自身の息子を「日本の公立小学校」に通わせたいと断言するのか。著書から抜粋して紹介します。(画像出典:PIXTA)

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世界基準の親が実践する「学校との適度な距離感」

その一方で、学校の外での生き方や、学校で教わるのとは違う考え方があるということをきちんと息子に提示し、時にはそれらを提供できる親でありたいと思っています。

純粋で、何事もスポンジのように吸収する幼い年齢の子どもたちだからこそ、道徳観や生活習慣まで教える小学校教育の本質が生きる反面、一つの価値観に縛られ、世界が狭くなってしまうというリスクもあります。

だからこそ、いつも過ごしている学校とは違う場所もあるのだと教えたり、日常の中でも「学校で習うことがすべてではなくて、他の考え方もある」ということを、バランスを取りながら伝えていきたいと思っています。

我が子がトラブルに巻き込まれたり、納得いかないことに遭遇したりした際には、学校と話し合うことが必要になることも当然あると思います。だけど、条件反射的に学校を責める姿勢になる前に「子どものために、今自分にできることは何か」とまず考えられる親でありたいと思っています。

いざという時に自分で乗り越える力を持った子どもに育てるためには、困難に直面した時、誰かのせいにすることなく「他にも考え方はある」という気づきを子どもと共有できることが重要だと思います。

そうしたスタンスを保つには、学校現場は限られた時間と人的リソースの中で成り立っているのだと理解したうえで、学校に求めるばかりではなく、保護者や地域の大人として学校に貢献できるタイミングでは協力を惜しまない姿勢が必要不可欠だと思います。

親や先生という立場を超えて、子どもたちの健やかな成長を支える社会の一員でありたいと願っています。 
それでも息子を日本の小学校に通わせたい (新潮新書 1117)
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この書籍の執筆者:山崎エマ プロフィール
1989年(平成元)年兵庫県生まれ。イギリス人の父と日本人の母を持つ。19歳で渡米しニューヨーク大学映画制作学部卒業。日本社会の中で育まれた感性と、多文化環境で培った視点を重ね合わせ、独自の視点でドキュメンタリー制作を行う。代表作は日本の公立の小学校を1年間追った長編『小学校〜それは小さな社会〜』。100館を超える大ヒットを記録し、教育やドキュメンタリーの分野を越えて広く注目を集めた。短編作品『Instruments of a Beating Heart』は第97回米アカデミー賞の短編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされ、国際的にも高い評価を得た。
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