ヒナタカの雑食系映画論 第216回

『ウィキッド 永遠の約束』を見る前に知ってほしい8つのこと。今の日本でも他人事ではない理由

『ウィキッド 永遠の約束』について、作品の立ち位置や、新たな楽曲など、見る前に知ってほしい8つのことのことを解説しましょう。日本でもまったく他人事ではない問題が描かれていることは、前編から続けて見るからこそ分かるのです。(※画像出典:(C) Universal Studios. All Rights Reserved.)

3:「4度のアップデート」を経た映画化

前提として、映画『ウィキッド』の「原作の原作の原作の原作」となるのは、1900年に出版された児童小説『オズの魔法使い』。1939年に公開された映画『オズの魔法使』で広く知られるようになりました。
その古典化した物語を「悪い魔女」の視点から語り直した二次創作の小説『ウィキッド』が1995年に発表されました。さらにさらに、その『ウィキッド』の2003年に初演を迎えたブロードウェイミュージカル版が大ヒットし、日本でも劇団四季による公演が根強い人気を誇っています。
つまりは、100年以上前に書かれた児童小説から、映画版→二次創作の小説→その舞台版→映画化という過程を経て、今回の2部作の映画『ウィキッド』が誕生しているのです。その都度「アップデート」を繰り返したからこそ、後述する社会批評性がより「今の時代を映し出したもの」になっているとも言えるでしょう。

4:前編および映画『オズの魔法使』の鑑賞はほぼ必須?

そして、2部作の後編となる今回の『永遠の約束』は、前編となる『ふたりの魔女』は言うまでもなく、映画『オズの魔法使』も事前に見ておくことを強くおすすめします。

前編は2人の女性が友情を育む分かりやすい物語として、予備知識ゼロでも問題なく楽しめる内容でした。そして、今回の後編ではガッツリと映画『オズの魔法使』とリンクする、サプライズとも言える展開があるのです。

具体的な理由はネタバレになるので書けないのですが、もしも今回の映画『ウィキッド』を先に見てしまうと→『オズの魔法使』の主人公の少女・ドロシーの活躍に、良い意味でも悪い意味でも、「居心地の悪さ」を過剰に感じてしまう可能性があると思います。その『オズの魔法使』はU-NEXTなどの配信サービスで見やすくなっているので、この機会にぜひ気軽に触れてみてほしいです。
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完全に「あわせて作られた2部作」だった
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