しかし、時代の構造的な逆風により「あのとき正社員になれていれば」と、キャリアや人生に深い後悔を抱えている人も少なくありません。
グロービス経営大学院教授・森暁郎氏は、著書『世の中のことも自分のこともみるみるわかる お金の「選択」 人生の節目に役立つファイナンス超入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中で、そんな氷河期世代にこそ、ファイナンス思考を使った「逆転の戦略」があると指摘します。
過去の執着を断ち切り、人生の後半戦で勝つためのエッセンスを抜粋・編集して紹介します。
※本記事で紹介している商品の購入やサービスの利用により、売上の一部がオールアバウトに還元されることがあります。
氷河期世代はどう生きていくべき?
「氷河期世代」。この言葉から、どんな印象を持ちますか?一般的には、バブル崩壊後の1990年代半ばから2000年代半ばに社会へ出た、いわゆる就職氷河期世代を指します。当時は景気の低迷で新卒採用が大幅に絞られ、多くの若者が思うように就職できませんでした。
私自身もこのど真ん中の世代ですが、どこか寒々しい響きで、正直あまり好きな言葉ではありません。そもそも「世代」で括られること自体にも違和感を覚えます。
社会の中核となった 「氷河期世代」
近年、この氷河期世代に改めて注目が集まっています。就職難の時代を生きたこの世代も、いまや40代半ばから50代半ば。人口も多く、社会の中核を担う世代です。
この層が不安定だと、社会保障を支える立場としても、消費を動かす存在としても、日本経済が停滞しかねません。だからこそ、今こそ手を打つ必要があるのです。
また、社会がこの世代を放置したまま「あとは自己責任で」と言うのは酷な話です。
氷河期世代は他の世代に比べ、キャリア形成や資産形成の機会に恵まれず、結婚や出産といったライフイベントをあきらめざるを得なかった人も少なくありません。
それは決して能力や努力の問題ではなく、バブル崩壊後の長期不況で企業が採用を極端に絞り、非正規雇用が急増したという、構造的な環境要因によるものです。
その“時代の構造的な逆風”こそが、氷河期世代の出発点を不利にしたのです。
しかし、嘆いていても何も変わりません。
ファイナンスの考え方を使って、逆転の人生を描いていきましょう。
サンクコスト——「過去への執着」 を断ち切る
氷河期世代にとって最大のサンクコストは、「失われた20年、30年への後悔」です。「あのとき正社員になれていれば」「もっと早く投資を始めていれば」といった“if”の思考は、どれだけ嘆いても1円にもなりません。
また、「ここまで我慢したんだから、この会社を辞めるのはもったいない」という考えも、サンクコストの罠です。
まずは、この「過去への執着」というサンクコストをきっぱりと切り捨てることから始めましょう。判断基準は常に「過去より未来」です。



