「退職金のために今の会社で耐える」は大損? お金のプロが明かす“優しい制度”のカラクリ

「退職金」を心の支えに今の会社で我慢して働いていませんか? 実はファイナンスの視点では「報酬の後払い」であり損な仕組みです。大谷翔平選手の異例の契約を紐解きながら、退職金制度の裏側と人生の選択を専門家が解説します。(画像出典:PIXTA)

「退職金を待つ人生」は、機会費用を失っている

さて、話を私たちに戻しましょう。

退職金は、表面的には安心感を与えてくれます。

しかし、現役時代の給与を抑えて後払いにする仕組みである以上、「成長の機会を後ろ倒しにする」リスクがあります。

退職金に依存するか否かは、大切な人生を主体的に生きるか、受動的に生きるかの反映でもあります。

また、退職金を目的に1社に居続けることで、失っているものはないでしょうか。

ここで思い出してほしいのは、「機会費用」の考え方です。

もし今の仕事が心から好きで、成長を感じられているなら、それは素晴らしいことです。

けれど、もしチャレンジしたいことを我慢し、「退職金のために耐える」毎日を過ごしているなら、その代償は目に見えない形で積み上がっていきます。

成長の機会を逃し、キャリアの選択肢を狭め、人生の時間を切り売りしている。

その損失は、退職金では取り戻せません。

退職金は優しい制度に見えて、実は冷たい構造

終身雇用、年功序列、長年の功績に報いる退職金制度……一見すると温かい仕組みです。

しかし、日系企業とグローバル企業の両方で働いてきた私自身の実感として、この制度は決して優しいものとは思えません。

「安定を与える代わりに、成長と自由を後回しにする」──それが、退職金制度の本質だからです。

一方、グローバル企業では、組織再編やリストラが日常的に起こります。厳しいようでいて、そのたびに「自分のキャリアをどう描くか」を真剣に考える機会が与えられます。

若いうちからそんな環境に置かれることで、自分の人生と真剣に向き合う習慣がつきます。
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安定を捨てるか、成長を諦めるか。あなたが選ぶべき道は?
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