もはや「雪と氷の祭典」ではない? 冬季五輪に夏季競技を導入へ、IOCが直面する限界

閉幕したミラノ・コルティナ五輪は異例の広域分散開催が注目を集めました。気候変動で冬季競技を実施できる場所は減る一方です。冬季五輪の将来に対して危機が叫ばれる中、夏季競技の一部を移す案も浮上しています。(画像出典:PIXTA)

冬季五輪のイメージ画像
気候変動が進む中、冬季五輪の持続可能性が課題となっている(画像出典:PIXTA)
国際オリンピック委員会(IOC)のカースティ・コベントリー会長は、ミラノ・コルティナ冬季五輪の閉幕に際し、「新しく持続可能性のあるやり方で成功できた。人々の期待を超えた」と広域分散開催の方式を自画自賛しました。

今回はミラノ、コルティナダンペッツォ、バルディフィエメ、バルテリーナの4つの会場群で競技が実施され、開会式も4会場で入場行進が行われたほどです。移動の困難さも指摘されましたが、大会期間中に大きなトラブルは起きませんでした。

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開催可能な都市は減る一方

IOCは気候変動に伴う将来の冬季大会の持続可能性について協議しています。IOCから調査の委託を受けたカナダ・ウォータールー大学を中心とする国際研究チームによると、冬季五輪を開催できるような競技インフラがある世界93カ所のうち、2050年代に開催可能な場所は52カ所にとどまるといいます。さらに通常3月開催のパラリンピックについては、22カ所しかなくなると分析されています。  「気候変動が、冬季五輪とパラリンピックの開催地の地図を変えている」と、論文の筆頭著者であるウォータールー大学のダニエル・スコット教授は指摘しています。とりわけ3月の気候を考えると、パラリンピックの継続的な実施は大きな課題です。
 
五輪とパラリンピックを2月に同時開催するというアイデアもありますが、研究チームは、両大会を同じ時期に実施すれば、大会の規模が巨大化し、競技数がほぼ倍になる複雑さから非常に困難との見方を示しています。
 
そこで五輪とパラリンピックの開催を数週間前倒しすることで、パラリンピックを開催できる場所は38カ所に増えると研究チームは指摘しています。IOCもこの案を検討しています。
 
ただ、開催に適しているという場所でさえ、大半は人工雪が不可欠であり、造雪のための水資源や設備を確保できるかどうかも課題になってきます。

もし自然の雪だけで開催可能な場所を見た場合、2050年代に冬季競技を実施できるのは、日本のニセコ、ロシアのテルスコル、フランスのバルディゼールとクールシュベルの4カ所しかないという調査結果もあります。
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夏季競技の一部を冬季五輪へ
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