もはや「雪と氷の祭典」ではない? 冬季五輪に夏季競技を導入へ、IOCが直面する限界

閉幕したミラノ・コルティナ五輪は異例の広域分散開催が注目を集めました。気候変動で冬季競技を実施できる場所は減る一方です。冬季五輪の将来に対して危機が叫ばれる中、夏季競技の一部を移す案も浮上しています。(画像出典:PIXTA)

陸上や自転車のオフロード種目が移行?

どの競技が夏から冬へ移るのかは大きな関心事です。世界陸連のセバスチャン・コー会長によれば、未舗装のオフロードで行う陸上のクロスカントリーや自転車のシクロクロスが候補に挙がっているといいます。他にも屋内で行う格闘技や球技など、冬に実施しても支障がないスポーツは少なくありません。  しかし、スキー・スノーボードやスケートなど冬季競技を統括する7つの国際競技連盟は共同声明を出し、「冬季大会にしかないブランド、遺産、アイデンティティーが薄まる」と夏季競技の追加に懸念を表明しています。

気候変動という地球規模の課題に対し、スポーツ界全体が危機感を持っています。IOC総会では、従来の冬季五輪の姿を今後も維持していくのか、それとも過去のイメージを払拭(ふっしょく)する新たな大会像を描くのかが焦点となります。
IOC: オリンピックを動かす巨大組織
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この記事の執筆者:滝口隆司
社会的、文化的視点からスポーツを捉えるスポーツジャーナリスト。毎日新聞では運動部の記者として4度の五輪取材を経験。論説委員としてスポーツ関連の社説執筆を担当し、2025年に独立。著書に『情報爆発時代のスポーツメディア―報道の歴史から解く未来像』『スポーツ報道論 新聞記者が問うメディアの視点』(ともに創文企画)。立教大学では兼任講師として「スポーツとメディア」の講義を担当している。
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