【タワマン文学の終焉】SAPIXという「幻想」の終わり。SAPIXから早稲アカへ流れる親たちの“変化”

「タワマン文学」の終焉が告げる、中学受験の新たな潮流。「SAPIX一強」崩壊の裏には、ブランドより利便性を選ぶ共働き世帯のリアルが……? 現代の塾選びの正解とは?(サムネイル画像:編集部撮影)

共働き世帯が直面した物理的な壁

しかし、時代は変わります。東京都の「東京の子どもと家庭」調査によると、2012年に53.8%だった共働き世帯率は、2022年には66.7%にまで上昇。現在はさらに上がっているでしょう。

母親の働き方の「質」も変化しました。かつてはパートタイムが中心でしたが、人手不足を背景に正社員の求人が増えたことで、フルタイムを選ぶ母親が増加しています。

さらに、コロナ禍以降の物価高が追い打ちをかけます。私立中の学費や塾代を捻出するためには、「母親もフルタイムで働かざるを得ない」というのが現実的なラインになってきたのです。

こうして中学受験家庭の主流は、「子どもの受験が全て」の専業主婦から、夫婦そろってフルタイムの共働きへとシフトしました。

そうなると、かつてのように母親が小ぎれいにして校舎までお迎えに行ったり、つきっきりで宿題を見たりする時間は物理的に確保できません。

ここでネックになるのがSAPIXのシステムです。自習室がなく、質問対応も授業後に限られるSAPIXは、親のサポートを前提としています。

職場の先輩ママたちからSAPIXで苦労したという実体験を聞くにつれ、「うちはSAPIXは合わないかも」と考える家庭が増えるのは、必然の流れと言えるでしょう。

「子どもの受験=私の人生」からの決別

「SAPIXは共働きママとは相性がよくない」という情報が拡散される中で、早稲アカは校舎を増やし、通塾の利便性を高めました。

自習室はもちろんあるし、質問対応も随時オッケー、宿題チェックもします。オンライン授業も充実させていきます。

こうなるとママたちは思うわけです。「近所の早稲田アカデミーでいいじゃん」と。つまり、「ブランド」より「サービス」を選ぶ母親が増えたのです。この母親たちの変化によって、「タワマン文学」は終焉しました。

かつて、中学受験は「コンプレックス商法」と言われていました。学歴がないコンプレックス、もしくは学歴が高いだけで現状パッとしない「窓際社員」のコンプレックス。

しかし、タワマンは出入りに時間がかかるから子育てをするには不便な住居です。子どもは外に出た瞬間、「給食袋忘れた!」と言い出しますから……。
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「タワマン文学」はなぜ終わったのか
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