「揺り戻しで今年は増える」という声もありましたが、ふたを開けてみれば減少傾向は続いています。埼玉県でも公立離れ・私立人気の傾向は顕著です。
今回は、人気が高まる私立高校の入試形態や、注目の学校再編、そして女子受験生を取り巻く環境について見ていきましょう。
私立入試の2つの型と「内申点」の重要性
首都圏の私立高校受験は、大きく分けて2種類あります。1つは、高倍率の大学付属高校や進学校にチャレンジする「一般選抜」です。これは当日の学科試験(ペーパーテスト)の成績で合否が決まる実力勝負の世界です。
もう1つが「推薦入試」です。これには「専願(合格したら必ず進学する)」と「併願(合格しても都立など他校を受験でき、入学辞退も可能)」があります。
昨年は中堅層の都立受験が減った一方で、この推薦入試(専願)を利用して早めに私立高校への進学を決める生徒が増加しました。
ここで注意が必要なのは、専願にせよ併願にせよ、推薦入試には「内申点(通知表の評定)」という出願基準がある点です。私立人気が高まると、学校側も強気になり、この「基準となる内申点」を引き上げる傾向があります。
推薦入試での合格を狙うのであれば、まずは学校の成績(内申点)を上げることが最優先です。その上で、英検や数検といった検定資格を取得し、内申点への「加点」を狙う戦略が有効になります。
また、最難関といわれる早稲田や慶應の付属高校も推薦入試を行っています。もし出願基準を満たして受験できれば、一般入試と合わせてチャンスが2回に増えます。
ただし、これらの最難関校は「オール5でもなかなか受からない」という極めてハイレベルな戦いになることは覚悟しておきましょう。
慶應の面接廃止、明治・北里の付属化に注目
2026年度入試では、難関校や人気校で大きな変更が相次いでいます。特記すべきは、慶應義塾高校が一般入試における2次試験(面接)の廃止を発表したことです。これにより面接対策が不要になるだけでなく、日程面でのメリットも生まれます。
従来、面接が行われていた2月13日が空くことになるため、同日に試験を行う国立大学附属高校との併願が可能になりました。男子の最難関受験生にとっては、受験戦略の幅が広がる大きなニュースです。
また、有名大学の「付属校化」も見逃せません。
日本学園高校は2026年度から「明治大学付属世田谷高校」として共学化し、生まれ変わります。明大前駅から徒歩圏内というアクセスのよさもあり、すでに大きな人気を集めています。
また、順天高校も学校法人北里研究所と法人合併し、「北里大学附属順天高等学校」としてのリニューアルに向けた動きが進んでいます。こうした大学付属校への再編は、今後も志願者を集める要因になるでしょう。
一方、公立高校でも再編・統合の動きが顕著です。神奈川県では2026年度・2027年度に、埼玉県でも2026年度に県立高校の統合が予定されています。普通科だけでなく、専門学科を併設する新しいタイプの学校が登場するのも特徴です。
栄光ゼミナールの高校入試責任者・松田裕太郎さんは次のように指摘します。
「埼玉県では2027年度から県立高校入試制度の大きな改変も控えており、その動向にも注意が必要です」



