東大卒が断言「社会は暗記科目じゃない」。歴史嫌いの子が夢中になる“意外な遊び”とは?

社会は暗記科目ではなく、日常生活とのつながりを理解することで面白くなります。地図や年表を使った「攻略マップ作戦」や、Google Earthで学ぶ方法を通して、社会を“生きた学び”に変える工夫を紹介します。(画像出典:PIXTA)

※画像はイメージ(画像出典:PIXTA)
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「年号なんて覚えて何になるの?」「地名が漢字で書けない……」 社会科の勉強中に、お子さんがこんなため息をついていませんか?

多くの親御さんも「社会=気合で暗記する科目」と思いがちです。しかし、『東大でとことん教育を学んでわかった! 勉強にハマる子の育て方大全』(永島瑠美・著/青春出版社)では、その常識を否定します。

著者が提唱するのは、「社会は暗記ではなく、冒険である」という視点。

本記事では同書より一部抜粋・編集し、リビングの壁やスマホを使って、苦痛な暗記タイムを“ワクワクする探検”に変える「東大式・社会科メソッド」を紹介します。

覚えた知識がどんどんつながる! ゲーム感覚の「攻略マップ作戦」

社会の勉強で多いのが「覚えたはずなのに思い出せない!」という悩みです。それは、知識が「点」のままで、頭の中でつながっていないからなんですね。

そんなときに効果的なのが「攻略マップ作戦」。

【やり方】

(1)おうちの壁に貼れるような大きめの地図や年表を用意する。

(2)教科書やドリルで「新しく学ぶ地名・出来事・人物」に出合ったら、地図や年表に即座に「マーク」を入れたり、「書き込み」をしたりする。「マーク」は、チェックでも、ニコちゃんマークでも、シールを貼るでも、何でもOK。「書き込み」は、得た知識でも、自分なりのコメントでも、何を書いてもOK。

(3)たとえば地理なら、習った都市や川にシールを貼る。歴史なら、習った歴史的出来事を年表から探し、見つけたらチェックを書き込む。

地図や年表上に「攻略したもの」がどんどん増えていきます。自分の頑張りの跡が視覚化されるので、やる気も定着率も倍増!

「暗記する」のではなく「攻略する」と考えるだけで、子どもはワクワクし始めます。

私の子どもの場合、歴史の年表に「徳川家康」を見つけると、やたらと赤い丸でデコレーションをしていました。あとから見たら「すごい家康!」なんて落書きまでありました。

でもそのおかげで、徳川家康を起点にして、江戸時代に興味を持てるようになったんです。

私の経営する塾でも、この方法は大好評です。

ある小学生は、日本地図に、覚えることができた県庁所在地名を次々とシールで貼っていきました。

最初は真っ白な地図が、1週間後にはカラフルな県庁所在地シールでいっぱいに。「やった! 県庁所在地の地図完成!」と誇らしげに見せてくれた姿は印象的でした。

学習心理学でも「マップ化」「図式化」は記憶の定着に効果的だとされています。

知識を単なる「点」ではなく「線」や「面」として整理すると、関連づけが働きやすくなるんです。

年号や地名を単体で覚えるのは難しくても、年表や地図の中に位置づけることで「位置情報」が手がかりとなり、記憶が呼び起こされやすくなります。

また「攻略マップ」というネーミング自体が、子どもにとってモチベーションの引き金になります。勉強を「ゲーム的な体験」に変えることで、学びの負担感が減り、達成感が増すんです。

つまり、「地図や年表を攻略マップ化する」工夫は、社会を「暗記地獄」から「冒険ゲーム」に変えてくれる魔法のような方法なのです。

リビングが“修学旅行”の現場に。無料でできる「Google Earth探検」

社会科の勉強で教科書を読んでいるとき、「地図だけ」「文字だけ」「年表だけ」ではピンと来ないこと、ありますよね。

そんなときにおすすめなのが Google Earth(グーグルアース)。無料で使えるこのアプリを開けば、世界中の地形・建物・史跡をぐるっと立体で見られます。

【やり方】

(1)社会の教科書やニュースに出てきた地名や史跡を、Google Earthで検索する。国内でも、海外でもOK。

(2)画面をズームして、現地をぐるっと眺める。

(3)Google Earthを見ていて、気づいたこと、見つけたこと、感じたことを親子で話す。

Google Earthを使うと、教科書から飛び出して、「バーチャル旅行」に行けるのです。

塾に通っている小6女子。どうしても歴史が好きになれません。歴史用語が頭に入らないと言っていました。

そこである日の授業で、いっしょにGoogle Earthを使って、奈良公園を見に行きました。広大な碁盤の目の街並み跡や大仏殿を立体映像で確認。Google Earthは、大仏殿の中まで見せてくれました。

「平城京ってこんなに広かったんだ!」「大仏を見るために、たくさんの観光客が来ている!」と二人でびっくり。

これをきっかけに、彼女は奈良時代の歴史に関心を持てるようになりました。奈良時代を起点とし、飛鳥時代や平安時代へも関心を広げています。

わが家でも、Google Earthは頻繁に使用します。

ある日息子が「富士山ってどこからでも見えるの?」と聞いてきたので、Google Earthで上空から富士山を探してみました。

画面をぐるぐる回しながら「おー、でかい!」と大興奮。ついでに「山梨県と静岡県にまたがってるんだね」と確認でき、地理の勉強になりました。Google Earthで実際に見に行く体験の力を感じました。

教育心理学の研究でも、「視覚的・体験的な学習」は学習効果を高め、記憶に残りやすいと示されています。Google Earthのような「没入型ツール」では、子どもは立体的に対象を認知できます。単なる暗記ではなく「イメージとしての理解」を助けてくれるのです。

「自分の目で確かめた」という実感があることで、学習に主体性も生まれます。

Google Earthは、まさに「バーチャル修学旅行」。教科書から飛び出して、机の上から世界旅行だってできます。大人も子どもも「おお! これはすごい!」というものにたくさん出会えるはず。これを一度体験したら、子どもは「もっと見たい!」と自分から社会科に近づいていきますよ。

東大でとことん教育を学んでわかった! 勉強にハマる子の育て方大全
東大でとことん教育を学んでわかった! 勉強にハマる子の育て方大全

この記事の執筆者:永島 瑠美 プロフィール
ナガシマ教育研究所代表。中学受験ラボ代表。一般社団法人勉強法アドバイザー機構代表理事。東京大学教育学部卒。教育学修士。2015年から神奈川県横浜市金沢区でナガシマ教育研究所(学習塾・学童保育)を経営し、学習指導にあたる。「笑って学べる家庭づくり」を軸に、講演・執筆・メディア出演など幅広く活動中。著書に『東大でとことん教育を学んでわかった!勉強にハマる子の育て方大全』(青春出版社)がある。

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