『エディントンへようこそ』を見る前に知りたい5つのこと。『ズートピア2』へと「接続」する理由

『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』のアリ・アスター監督の最新作『エディントンへようこそ』はとても面白い「炎上スリラー」でした。実は『ズートピア2』に似ている要素も含め、見る前に知ってほしい5つのポイントを解説しましょう。(C)2025 Joe Cross For Mayor Rights LLC. All Rights Reserved.

エディントン
『エディントンへようこそ』2025年12月12日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開 配給:ハピネットファントム・スタジオ 原題:EDDINGTON (C)2025 Joe Cross For Mayor Rights LLC. All Rights Reserved.
12月12日より『エディントンへようこそ』が劇場公開中です。目玉はやはり「21世紀最高のホラー映画」と称された『ヘレディタリー/継承』、明るい祝祭での地獄を描いた『ミッドサマー』で知られるアリ・アスター監督の最新作ということでしょう。
ヒナタカ
この記事の執筆者: ヒナタカ
映画 ガイド
All About 映画ガイド。雑食系映画ライターとして「ねとらぼ」「マグミクス」「NiEW(ニュー)」など複数のメディアで執筆中。作品の解説や考察、特定のジャンルのまとめ記事を担当。2022年「All About Red Ball Award」のNEWS部門を受賞。 ...続きを読む
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前置き:変わった炎上スリラー&現代西部劇&ブラックコメディー

今回は「暴力、陰謀論、SNSの暴走がすべてを焼き尽くす“炎上スリラー”」と銘打たれており、実際に見れば「一触即発のバトルが勃発する現代西部劇」かつ「本人は切実でも側から見れば笑ってしまうブラックコメディにもなっていました。

おじさんが不条理な出来事に遭遇し続ける前作『ボーはおそれている』ほどでないにせよ、かなり変わった映画であることは間違いないでしょう。

注意点は「殺傷・流血の描写がみられる」という理由でPG12指定がされており、やや突発的な暴力シーンがあること。また、上映時間は2時間28分と長めです。

後述するように「コロナ禍での小さな町で対立する閉塞感」も重要なので、映画館という閉ざされた(逃げられない)空間でこそ見てほしい作品です。

ここからは決定的なネタバレを避けつつ、「こう見てみると面白い」ポイントをまとめていきましょう。意外にも、現在大ヒット公開中の『ズートピア2』と共通する(あるいは相反する)ところもあったのです。
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「自分は正しい」と思っている人の物語にゾッとする
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