この記事の執筆者:
ヒナタカ
映画 ガイド
All About 映画ガイド。雑食系映画ライターとして「ねとらぼ」「マグミクス」「NiEW(ニュー)」など複数のメディアで執筆中。作品の解説や考察、特定のジャンルのまとめ記事を担当。2022年「All About Red Ball Award」のNEWS部門を受賞。
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週末は満席続出!でも上映劇場が少ない!そしてめちゃくちゃ面白い!
何しろ、同作は3回に渡って全米週末興行ランキングNo.1を記録し、世界興行収入380億円を突破した大ヒット作。そして、この日本でも多くの上映回が満席または満席近い大盛況となりました。もっとも、現時点での上映館数が33館と少なく、しかも1日の上映回数もごく限られていたからこそ、人が詰めかけているところもあるでしょう。今後も混雑が予想されるため、上映劇場を確認し、早めにご覧になることをおすすめします(そして「自分の地域では上映していない!」という悲痛な声もあるので、上映館数増えて……!)
その大ヒットの理由は、何しろ圧倒的な評判によるものでしょう。Rotten Tomatoesでの批評家支持率は94%にまで上っていますし、この日本では、後述する「怪作」と呼べる特徴も相まってやや賛否を呼んでいるものの、それでもホラー映画の評価が厳しくなりがちなレビューサイトで映画.comで3.7点、Filmarksで3.9点と十分に好評です。
そして、この『WEAPONS/ウェポンズ』は評判以上にめちゃくちゃ面白い! とにかく先が気になるし、一時たりとも退屈するスキもない、グイグイと惹き込まれる、とてつもないエンターテインメントでした。
まずは完全ネタバレなしの予備知識として、「ネタバレ厳禁と言われる理由」「R18+指定だがグロいか」「どういうタイプの怖さがあるか」を記していきましょう。
注意点:R18+指定のグロさはある?怖い?見る前に知ってほしいこと
「ネタバレ厳禁」である最大の理由は、「なぜか子どもたちが深夜に姿を消した」という謎につながるヒントがちりばめられていて、見ながら答えを予想をしていくことに面白さがあるから。先の展開が読めないからこそ、翻弄(ほんろう)されるような恐怖、あるいは深淵に近づくようなゾクゾクした感覚を楽しめるでしょう。注意点は、R18+指定という高いレーティングがされている通り、直接的な残酷シーンがごくわずかにあること。
しかし、ショッキングではあれど、そのシーンは多くはなく、描写としてもしつこくありません。人によってはブラックなユーモアさえ感じられる……むしろ、ありえない方向性のグロさのせいで、笑ってしまう描写もあるのです。「グロは絶対NG」という人でなければ、それほど抵抗はなく受け入れられるのではないでしょうか。
むしろ、恐怖よりも注意しなければならないのは、「子どもたちが失踪した」ことに起因する、キャラクターそれぞれの辛く苦しい心情に同調するからこその「精神的負担」なのかもしれません。
本当に恐ろしく、観客に精神的な負担を強いるのは終盤の展開なのですが、そればかりはネタバレなしでは説明不可能です。筆者はそのあまりのシチュエーションによる悲しさと恐ろしさ、そして映画としての圧倒的な面白さがあいまって、涙を流してしまいました。 ほかに事前に知っておくべき情報はないのですが、ここからはある程度は内容に踏み込む形で、でもネタバレには触れないように、特徴や魅力を3つのポイントからたっぷりとお伝えします。予備知識をまったく入れない状態で見たい人は、先に劇場へ駆けつけてください。



