紙のきっぷは消滅するか。最新技術展で見えた「タッチしない改札」とSuicaの進化

2年に1度開催される鉄道業界の祭典「鉄道技術展」。会場には多種多様な最新技術がひしめいていたが、その中でも特に筆者の目を釘付けにしたのは、自動改札機に投入された最新テクノロジーの数々だった。

進化するSuicaの今後

未来のSuica
これからのSuicaの利便性を表したイメージ画像
Suicaの進化としては、チャージ額の2万円超えやチャージ不要で後払い決済などさまざまな提案がなされている。その中で注目したいのが、ウォークスルーや位置情報を利用してJR東日本全駅でSuicaを使えるようにするというものだ。

現在、Suicaを使えるエリアは決まっている。首都圏や仙台など大都市を中心とした路線のみであり、ローカル線の無人駅の大部分はSuica適用外だ。

首都圏の駅からSuicaで入場し、幹線からローカル線に乗りかえて閑散とした無人駅で下車しようとすると、Suica非対応の駅では問題が生じる。運転士から後日精算するための券をもらうことになるが、精算が終わるまで、Suicaが使えない。

そうした不便を解消するには、全駅に簡易Suica改札機を導入することになるが、莫大な費用がかかるので、実現は困難だ。

そこで、JR東日本が位置情報を利用したタッチレス決済を今後10年以内に予定しているという。これなら、どんな無人駅でもSuicaで乗降が可能になる。鉄道会社にとっても利用者にとっても多大なメリットをもたらすであろう。

そうなれば、いよいよ紙のきっぷはなくなるかもしれない。もっとも、どんな駅でも乗り降り自由な「青春18きっぷ」や「大人の休日俱楽部パス」は残してほしいものだが……。

トレイン・シミュレータでの実地訓練

トレインシミュレータ
トレインシミュレータによる訓練デモンストレーション
トレイン・シミュレーションの開発で目覚ましい業績をあげているのが「音楽館」だ。

そのブースでは、乗務員訓練用シミュレータの実演を行っていた。単なる運転にとどまらず、信号不点灯やホームでの人身事故の可能性、吹雪による視界不良といった非常時の対応も実演されていた。ワンマン列車での作業というハンディキャップがありながらも、乗務員のきびきびとした動作には感心させられた。

シミュレータもよくできていて、訓練のみならず、ここから派生した鉄道ファン向けの商品もあるようで大いに興味をそそられた。
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