紙のきっぷは消滅するか。最新技術展で見えた「タッチしない改札」とSuicaの進化
2年に1度開催される鉄道業界の祭典「鉄道技術展」。会場には多種多様な最新技術がひしめいていたが、その中でも特に筆者の目を釘付けにしたのは、自動改札機に投入された最新テクノロジーの数々だった。
「鉄道技術展」2025の会場「幕張メッセ」のエントランス
2年に1度開催される「鉄道技術展」が、今回も幕張メッセ(千葉市)で11月26日から29日まで行われた。どんな最新技術が披露されるか興味津々だったが、筆者の目に留まったのは、自動改札機の最新テクノロジーを中心としたものだった。
顔認証改札機は事前登録が必要
実証実験が始まっている顔認証改札機
JR東日本メカトロニクスのブースでは、顔認証改札機が展示されていた。きっぷもSuicaやPASMOのようなICカードも不要、文字通り「顔パス」で改札を通過できるすぐれものだ。両手に荷物を持っていたり、または車椅子で利用したりするには便利であろう。
もっとも、事前に顔写真を撮影して登録する手続きが必要なので、定期券保有者のように頻繁に鉄道を利用する人向きかもしれない。目下、上越新幹線の新潟駅と長岡駅で実証実験を行っている。500名ほどが参加しているという。
筆者がいきなり通過しようとしたら、改札機に「通れません、戻ってください」の表示が出てしまった。
タッチレス改札機の使い勝手
スタイリッシュでシンプルな形状のタッチレス改札機
JR東日本のブースでデモンストレーションをしていたのは、ミリ波を活用したタッチレスゲート(改札機)だった。こちらも改札機にSuicaやPASMOをタッチすることなく通過できる。顔認証と異なり事前登録不要なのがポイントだ。
タッチレス改札機通過用ケースに入ったSuica
ただし、Suicaを特別なケースに入れて通過することとなる。そのケースと改札機がミリ波を利用して電波のやりとりを行い、タッチ不要となる仕組みだ。
この特別なケースは2000円くらいかかりそうだが、低価格にしないと普及は難しいかもしれない。とはいえ、降車駅ではふつうの改札機にタッチして下車することも可能なので、顔認証よりも使い勝手はよさそうだ。
実際にスタッフからカードを借りて試してみたが、改札機にタッチすることなくスムーズに通り抜けられた。これは楽だ。意外に早い時期に普及するかもしれない。