「まだ若い」と思う50代ほど、寝たきりになる。和田秀樹が指摘する「老いを受け入れない」人の末路

「まだ若い」というプライドが、逆に老化を早める? 和田秀樹氏の書籍から、50代が陥る「過去の栄光」への執着と、オムツや補聴器などの道具を味方につける「賢い老い方」を紹介。今すぐ捨てるべき古い価値観とは?(画像出典:PIXTA)

過去の自分を忘れ、今を生きる

「老いを受け入れる」とは、決して諦めることではありません。「今」を精一杯生きる覚悟を持つことなのです。限られた残りの時間をいかに有意義に使うかというマインドリセットを行うことでもあります。

そして、能力や体力の限界を認識しながら、できることは続け、やりたいことをするということです。今を前向きに楽しむ。長年高齢者を診てきた私からすると、それこそが、豊かな高齢期を送るための秘訣といえるでしょう。

私自身も「今」を生きてきました。

40歳の頃はぼんやりと「まだ物書きとしてやっていけているのかな」と思ったことはありますが、「60歳の自分」はまったく想像できませんでしたし、想像もしませんでした。定年のない職ということもあって、40歳から60歳まであっという間に過ぎていきました。気が付いたら60歳になっていたのです。

ただ、それなりに今を一生懸命生きてきました。これからも特別に歳のことを考えずに生きて、「気がついたら80歳」ということになる気がします。

「予測不能な寿命」を悩んでも無駄

そもそも、人の寿命は分かりません。50代のみなさんの中には「持病もあるし、そんなに長生きしないし」と考えている人もいれば「食事にも運動にも気を配っているし、90代までアクティブに生きたい」と思っている人もいるでしょう。

ですが、人間の体は思うほど予測可能ではありません。たとえば、高血圧や糖尿病は、脳出血や心筋梗塞の確率を上げますが、そのような病気を抱えていても、脳出血や心筋梗塞にならない人はたくさんいるし、逆にともに正常値なのに、脳出血や心筋梗塞になって亡くなる人もいます。

いずれにせよ、60歳を超えて、歳を重ねるほど、時間の流れは速く感じられるのは間違いありません。だからこそ、「あの時こうしておけば」と後悔するのではなく、今を大切に生きることが何より重要になります。

過去に縛られるのでもなく、将来を悲観するのでもなく、今を充実させる。その意識が長寿時代を生きる、50代のみなさんの心構えと言えるのかもしれません。
50歳からのチャンスを広げる 「自分軸」
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この書籍の執筆者:和田秀樹 プロフィール
1960年大阪市生まれ。1985年東京大学医学部卒業。
東京大学医学部付属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長、 立命館大学生命科学部特任教授 。
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