【投稿】「退職代行のパイオニア」による「モームリ」家宅捜索への反応
「退職代行のパイオニア」
新野氏は投稿にて、「弊社は退職代行のパイオニアとして、弁護士法を遵守しております。民間で唯一、高等裁判所からも『弁護士法には違反しない』とお墨付きをもらっています。警視庁の皆様、家宅捜査お待ちしております」とつづっています。引用されているのは、「退職代行『モームリ』運営会社に警視庁が家宅捜索」というライブドアニュースの投稿です。コメント欄には、「一体何の事件で、そんな話になり、高等裁判所から『弁護士法には違反しない』という認定を受けたのだろうか」「『民間として唯一、高裁から認められている』とまで記載して大丈夫ですか??」「地方裁判所において、EXIT社(を含む民間業者)が『交渉』を行わない使者としてのサービスを行うことは、弁護士法違反には当たらない、と判断された裁判例があるというのが、より正確な事実関係では?」などの疑問の声が上がっています。
法律の観点から見ると
この件に関連する裁判例として、「東京地裁令和2年2月3日判決」があります。退職代行会社と依頼者個人が争った一見珍しい事件ですが、争点は「退職代行会社が依頼者に代わり退職の意思を会社に伝えた行為が弁護士法72条違反に当たるか」に絞られました。裁判所は、退職代行会社は依頼者が務める会社に、依頼者の意思伝達を行ったのみであり、「法的紛議が生じることがほぼ不可避であるといえるような事実関係」は存在していなかったことを認め、非弁行為には該当しないと判断しました。つまり、単に依頼者の「退職したい」意思を伝えるだけであれば、弁護士法違反には当たらないことが確認された事例がすでに存在しています。そのことを受けて新野氏は今回、「弁護士法を遵守しております」と宣言したのでしょう。



