「退職代行のパイオニア」EXIT社長、「モームリ」家宅捜索に対し自社は“弁護士法を遵守”を主張「家宅捜査お待ちしております」

退職代行「EXIT」社長・新野俊幸氏は10月22日、自身のXを更新。同じく退職代行を行う「モームリ」の運営会社が弁護士法違反容疑で家宅捜索されたニュースに対し、「弊社は弁護士法を遵守している」旨の投稿を行いました。(サムネイル画像出典:新野俊幸氏公式Xより)

退職代行「EXIT」社長・新野俊幸氏は10月22日、自身のX(旧Twitter)を更新。「モームリ」運営会社が家宅捜索されたニュースに対し、自社は弁護士法を遵守していると明言しました。しかし、コメント欄では高裁認定の真偽について疑問の声が上がっています。

【投稿】「退職代行のパイオニア」による「モームリ」家宅捜索への反応

「退職代行のパイオニア」

新野氏は投稿にて、「弊社は退職代行のパイオニアとして、弁護士法を遵守しております。民間で唯一、高等裁判所からも『弁護士法には違反しない』とお墨付きをもらっています。警視庁の皆様、家宅捜査お待ちしております」とつづっています。引用されているのは、「退職代行『モームリ』運営会社に警視庁が家宅捜索」というライブドアニュースの投稿です。

コメント欄には、「一体何の事件で、そんな話になり、高等裁判所から『弁護士法には違反しない』という認定を受けたのだろうか」「『民間として唯一、高裁から認められている』とまで記載して大丈夫ですか??」「地方裁判所において、EXIT社(を含む民間業者)が『交渉』を行わない使者としてのサービスを行うことは、弁護士法違反には当たらない、と判断された裁判例があるというのが、より正確な事実関係では?」などの疑問の声が上がっています。

法律の観点から見ると

この件に関連する裁判例として、「東京地裁令和2年2月3日判決」があります。退職代行会社と依頼者個人が争った一見珍しい事件ですが、争点は「退職代行会社が依頼者に代わり退職の意思を会社に伝えた行為が弁護士法72条違反に当たるか」に絞られました。

裁判所は、退職代行会社は依頼者が務める会社に、依頼者の意思伝達を行ったのみであり、「法的紛議が生じることがほぼ不可避であるといえるような事実関係」は存在していなかったことを認め、非弁行為には該当しないと判断しました。つまり、単に依頼者の「退職したい」意思を伝えるだけであれば、弁護士法違反には当たらないことが確認された事例がすでに存在しています。そのことを受けて新野氏は今回、「弁護士法を遵守しております」と宣言したのでしょう。
一問一答形式でわかる退職代行Q &A法律実務マニュアル: 弁護士のための退職代行対策
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