ヒナタカの雑食系映画論 第194回

『チェンソーマン レゼ篇』4DXを本気レビュー!レゼに恋した人に大推薦したい「過去最強」の見どころ5つ

『チェンソーマン レゼ篇』の4DXには、「レゼ」というヒロインに「脳を焼かれた」人がリピート鑑賞するのにもうってつけの理由がありました。ここでは事前に知ってほしい5つの情報と、5つの魅力を記していきましょう。(※写真は筆者撮影)

魅力4:爆発から感じられるのは爆風……だけじゃない!

レゼは何しろ「爆弾の悪魔」であり、全編で爆発が起こりまくりです。劇場版『名探偵コナン』であっても数回にすぎなかった爆発が、この「レゼ篇」の後半では数えきれないほどに起こり、その度に4DXが「最適」の仕事をしてくれるのです。

何しろ、爆弾の爆風で座席が揺れる上に、劇場全体に風が吹くというのはもちろん、劇場斜め上で光る「フラッシュ」で「閃光」を表現し、時には「爆煙」が本当にスクリーン前の「煙」として上がるのですから。爆弾の「破壊力」およびレゼの「暴力性」を文字通りに「体で受け止める」感覚があるのです。

さらには、レゼは爆発の勢いで空を駆け抜けて移動しており、その度に首の横からエアーが「プシュップシュッ」と連続で吹き付けます。「レゼが爆発で空を駆け抜けていく」感覚もぜひ味わってほしいです。

魅力5:台風の悪魔の渦に巻き込まれる

終盤のバトルで姿を見せるのは「台風の悪魔」。もちろん雨と風での合わせ技での嵐でこそ、その台風を表現するというわけですが、さらに「ただいま参上しました!」という場面から、ほとんど「観客への悪意」のような演出が待ち構えているのです。
そして、その台風の渦に巻き込まれ舞い上がる時に、座席がぐるぐるんと円を描くように動きまくりなため、冗談抜きで酔ってしまう人もいるのではないでしょうか。

そこにチェンソーマンことデンジがビームに乗っての飛んで跳ねてのダイナミックなアクションも加わり、レゼの爆発を利用した反撃もあり、4DXの演出も、もはや「カオス」な領域へと達しています。

「足元のくすぐり」も「ここぞ」という場面で使われ、さらにはここまで使われたエアーもフラッシュも何もかもてんこ盛り……と、もはや言語化不可能な体験が待っていました。

ここはもう、気を確かに持って見届けてくださいとしか言えません。筆者個人は「ここまでアトラクションを楽しめて幸せ! チェンソー様最高!」という気持ちと「もういいよ! これ以上揺れると頭がおかしくなるよ!」という相反する気持ちが同居していました(いい意味で)。

今回の4DXの不満点は?

今回の4DXの不満点を挙げるとすれば、ほかのR15+指定作品の4DXで見受けられた、前から吹き付ける水や雨で、「血しぶき」を演出するシーンがほとんどなかったことでしょうか。もちろん悪趣味なサービスではあるので賛否が分かれるところでしょうし、今回は「このくらい」のあんばいでちょうど良かったのかもしれません。

また、筆者が気付かなかっただけかもしれませんが、「香り」の演出はやや控えめで、物足りない印象もありました。しかし、SNS上の声を見る限り、序盤のマキマさんやレゼからしっかりいい香りがしたという報告がいくつもあるので、ぜひ嗅覚も研ぎ澄ませて、楽しんでほしいです。
ヒナタカ
この記事の執筆者: ヒナタカ
映画 ガイド
All About 映画ガイド。雑食系映画ライターとして「ねとらぼ」「マグミクス」「NiEW(ニュー)」など複数のメディアで執筆中。作品の解説や考察、特定のジャンルのまとめ記事を担当。2022年「All About Red Ball Award」のNEWS部門を受賞。 ...続きを読む
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