「週休2日制」って土日に絶対休めるってこと? 「固定残業代」は不利な制度?

転職やキャリアに関する悩みや疑問に、ひとつ上を目指す人の転職サイト『type』編集長の三ツ橋りさが回答します。今回は「求人の見方」について。

「週休2日制」って土日に絶対休めるってこと?
「週休2日制」って土日に絶対休めるってこと?
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(質問)
「週休2日制」って土日に絶対休めるってこと? 「固定残業代」は不利な制度? ややこしい求人用語を教えてほしいです。

 

(回答)
求人には一見分かりづらい単語もあるので、注意すべきポイントに絞って理解しておくことが大切です。また、求人を見るタイミングだけでなく内定承諾前こそ、条件をしっかり確認しましょう。まずは自分の中で譲れない条件を決めてから、求人を探していきましょう。


詳しくは以下で解説します。

求人サイトを見るときに、特に注意すべきポイントって?

求人情報を見ていると、「週休2日制」「年俸制」「裁量労働制」など、少し分かりづらい言葉が並んでいて戸惑うこともありますよね。今回はそんな求人の専門用語について、特に注意してほしいポイントを解説していきます。

「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いって?

とても似ているように見えますが、実際は大きく違うこの2つの制度。以下の違いがあります。

・週休2日制: 1年の中で、月に1回以上、週2日の休みがあること。毎週2日休めるわけではありません。
・完全週休2日制: 毎週、必ず2日の休みがあること。
・土日祝休み: 毎週土曜日と日曜日、そして祝日が休みであること。

「完全週休2日制」でも曜日が明記されていなければ、土日休みとは限りません。平日に2日、休みの場合もあります。土日休みを希望するのであれば、「土日祝休み」と明記されているかを確認しましょう。

「年俸制」って? ボーナスはあるの?

年俸制は、年間の給与総額を提示して、それを12等分し毎月支払うケースが一般的です。年俸の中に賞与(ボーナス)が含まれていることが多く、別途賞与が支給されないことがほとんどです。もしくは年俸を14等分して一般的なボーナス支給月に2カ月分が支給されるケースも。

「年俸制」と記載されている場合は、賞与の有無や、支給される条件をしっかり確認することが大切です。

「裁量労働制」はどんな働き方?

「裁量労働制」とは、働いた時間ではなく「成果」や「仕事の進め方」に重きを置いて給与が支払われる制度です。

あらかじめ、会社と「1日○時間働く」という約束(みなし労働時間)を交わし、実際の労働時間がこの時間を超えても、支給されるのは基本的にみなし時間分の給与です。一方で、もし業務が早く終わった場合は、その日の仕事はそこで完了となり、定時より早く退社できることもあります。

働く時間帯や仕事の進め方を自分で決めたい人や、成果を出すことで評価されたい人にとっては、魅力的な働き方といえるでしょう。しかし、企業や職種によって制度の運用方法はさまざまです。ご自身の働き方に合っているか、内定前にしっかり確認することが大切です。

「試用期間」があるときに気を付けるべきことは?

求人概要に試用期間の有無が記載されていたとしても、その期間中の給与や待遇までは詳しく書かれていないことがあります。

試用期間中でも給与や待遇を変えない企業が多いですが、試用期間終了後に給与が変動する企業もあります。試用期間が半年以上と長い場合は、期間中の待遇もしっかりと確認しておきましょう。

「社会保険完備」って必要?

「社会保険完備」は、その会社が「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」に加入できることを意味しています。これらが全てそろっていることは、会社を選ぶ上で重要なポイントの1つ。病気やけがなど、万一の時の備えとして社会保険は心強い存在です。

一般的に社会保険を完備している会社が多いですが、規模の小さい会社や、パート・アルバイトの従業員が多い会社などは、加入していないケースもあるので、注意が必要です。

「固定残業代」「みなし残業代」は不利?

どちらも「毎月決まった時間分の残業代が、あらかじめ給与に含まれている」という制度です。

例えば、「固定残業代30時間分」と記載されていた場合、実際に残業した時間が30時間未満であっても、30時間分の残業代が給与に含まれて支払われます。もし、30時間を超えて残業した場合は、超過した分の残業代が別途支払われます。

企業によって呼び方はさまざまですが、大切なのは「何時間分が給与に含まれているか」「超過した場合はどうなるか」を確認しておくことです。

内定前後の「最終チェック」が最も重要

選考中は内定をもらうことに専念して問題ありません。しかし、求人では分からなかった詳細な条件を、内定承諾前にしっかりと確認することが大切です。

最終的な労働条件は、内定後に発行される「内定通知書」や「労働条件通知書」に記載されています。これらの通知書に記載されている内容が、求人の表記と異なるケースもまれにあるので、しっかりと確認しましょう。

特に、以下の項目は、入社後に認識のズレが起こりやすいため、書面で確認するか内定面談の場でしっかり質問するなどしておきましょう。

・試用期間: 期間や期間中の待遇、本採用に至らない可能性はあるのか
・賞与: 支給されるタイミングや、初回支給額は満額なのか
・各種手当: 通勤手当や住宅手当に条件や上限があるのか

一番の安心は「自分のこだわり」を明確にすること

全てを完璧に理解しようと、一つひとつの求人を隅々までチェックするのは現実的ではありません。それよりも大切なのは、「自分にとって、絶対に譲れない条件は何か」を明確にしておくことです。

「年収は絶対に下げたくない」「土日祝は必ず休みたい」「転勤は絶対に避けたい」など、ご自身のこだわりポイントを整理して、それに関わる用語や条件を重点的に、さまざまな企業を調べてみましょう。そうすることで、後悔のない転職につながるはずです。
三ツ橋 りさ
この記事の執筆者: 三ツ橋 りさ
『type』編集長
2006年4月、株式会社キャリアデザインセンターに入社。転職情報誌『Woman type』の編集を経て、転職サイト『女の転職type(旧・女の転職@type)』のUI/UX改善やサイトリニューアルなどに従事。13年04月~15年12月まで『女の転職type(旧・女の転職@type)』の編集長に就任。産育休を経て16年11月より転職サイト『type(旧・@type)』の編集長として復職。19年10月より2度目の産育休を取得し、21年5月に復職。21年6月からtype編集長に就任し現在に至る。   type■https://type.jp/   女の転職type■https://woman-type.jp/ ...続きを読む
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