レオナルド・ディカプリオ主演、アカデミー賞最有力候補の呼び声もある『ワン・バトル・アフター・アナザー』を見る前に知りたい5つのことを解説しましょう。「実は笑える」「クセ強」だからこその面白さも知ってほしいのです。(C) 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.
『ワン・バトル・アフター・アナザー』 10月3日(金)全国公開 IMAX(R)/Dolby Cinema(R) 同時公開 配給:ワーナー・ブラザース映画 (C) 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED. IMAX(R) is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema(R) is a registered trademark of Dolby Laboratories 公式サイト:obaa-movie.jp #映画ワンバトル
10月3日より映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』が公開されます。結論からいえば、本作はめちゃくちゃ面白い! アメリカの批評サービスIMDbでは8.4点、Rotten Tomatoesでは批評家支持率96%と2025年の映画の中でトップクラスの高評価を得ており、アカデミー賞の最有力候補の呼び声も納得の傑作でした。
また、暴力的な表現がいくつかあるほか、(特にレオナルド・ディカプリオ演じるお父さんの)下品な言葉での罵倒も聞こえてきます。「あまりにひどい言葉や下ネタに笑ってしまう」タイプの「やや過激なブラックコメディー要素」がふんだんにあることを念頭においた上で見た方がいいでしょう。
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特に強烈なのは、ショーン・ペンが演じる、物語上では悪役である軍人の「ロックジョー」。詳細は伏せておきますが、ありていに言えば、とてつもない変態。いい意味でドン引きするシーンが冒頭から待ち受けています。もちろん、その生理的な嫌悪感まで呼び起こすキャラ造形も意図的なものですし、「悪役が変態すぎて笑うしかない」印象も含めて、楽しんでほしい映画なのです。
2:シンプルな逃走(闘争)劇に至るまでの時間をかけた「セッティング」が面白い
本作のあらすじは「元革命家のダメなお父さんが、命を狙われつつも娘を守ろうと奮闘する」というシンプルなもの。一方で、日本版のキャッチコピーである「これは、逃走劇のフリをした闘争劇」が示しているように、ただ逃げるだけではない意外な展開も用意されていますし、一筋縄な内容というわけでもありません。
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例えば、そのメインのサスペンスが始まるまでの「セッティング」を、およそ1時間もかけて描いています。それだけを聞くと冗長に感じる人もいるかもしれませんが、そこに至るまでのストーリーもしっかり面白く、だからこそ後の逃走(闘争)劇がよりスリリングに見られるというのが本作の美点でしょう。
前半の1時間では、例えば「お父さんとお母さんの馴れ初め」などが描かれます。後に夫婦になる2人は、革命を掲げる組織で信念を持ち、大義のために戦っていた……とも言えますが、その活動には犯罪行為もいとわない過激さがあり、特にお母さんの言動はかなりアグレッシブで、お父さんは彼女に「ちょっとついていけてない」ような立場。お母さんが「妊婦姿のままマシンガンを撃つ」様にも笑ってしまいます。
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過去の物語では、前述した軍人のロックジョーのヤバさもまた丹念に描かれていますし、その先にはとある悲劇が待ち受けています。さらには「元革命家だけど今ではすっかり落ちぶれたお父さん」「そのお父さんを少なからず疎ましく思っている高校生の娘」という「今」の関係も描かれ、さらには比較的まとも(?)な人物に思える空手道場の「センセイ」も登場します。
(C) 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.それぞれのクセ強すぎなキャラクター描写をたっぷり済ませたからこそ、「元革命家VS変態軍人! お父さんはセンセイの助けも借りながら娘を救えるのか? さあ逃げつつ戦ってもらいましょう!」という、冗談のような流れに笑いつつもハラハラすることができます。やはりブラックコメディーよりのエンターテインメントなのです。