日本人が驚く、フランス家庭の「質素すぎる夕食」。夜は料理を絶対に頑張らない理由

品数が多く、ラグジュアリーなイメージがあるフランス料理。しかし実際に暮らしてみると、普段の夕食は日本よりもずっと質素です。ディナーは軽め、逆にランチのボリュームは多めと、意外なフランスの家庭料理をリポートします。

フランスのランチ風景
フランスのランチ風景。レストランにて(写真は筆者撮影、以下同)
日本の食事スタイルは、朝・昼・晩ともにバリエーションが多く、栄養のバランスが取れていると思います。フランスに住まいを移した筆者も、渡仏当初は「美食の国フランス」での食事に胸を膨らませていました。

フランス家庭は夕食が「ズボラ」

しかし意外だったのは、各家庭での夕食がとてもシンプルなこと。「え、これだけ?」と心でつぶやくこともしばしばで、日本であれば「ズボラ」「手抜き」と思われてしまうような内容です。

一方で週末含む毎日のランチは、夕食よりもずっとボリューミー。食事時間もたっぷり取っていて、「ランチはパパっと済ませ、夕食は品数多め」という日本の習慣とは、まったく逆のリズムが存在していました。

フランスの家庭料理は、なぜこのようなスタイルになっているのでしょうか。

日本よりも長い、フランスの昼休憩

フランスの人々を見ていてよく思うのは、「昼休憩をしっかり取る」文化が根付いているということです。働く人も、学生さんも、昼休みは1時間から1時間半、長いところでは2時間ほど。その間でランチをたっぷり食べて、残りの時間を同僚とのコミュニケーションや動画鑑賞、読書、昼寝の時間にあてています。

これほどゆったりとした休憩時間なので、パリのような都市部ではランチでも前菜・メイン・デザートとフルコースで食事を楽しむ人も。もちろんレストランだけでなく、テイクアウトを買ったり、自宅でランチを済ます人もいます。

ただ驚くのは、そのボリュームと内容。たっぷりの料理を、会話を楽しみながらきれいに平らげてしまう……。時間に余裕があるとはいえ、肉料理にお皿いっぱいのポテトやサラダなど、「昼からこんなに豪華でいいの?」というほどしっかりしたメニューが続きます。フランス人の食事は、1日のうちで「ランチに一番の比重を置いている」と言っても間違いではないでしょう。

朝食が「軽い」ためお腹が空いている

しかしその理由は、お昼休憩が長いことだけではないようです。

というのも、フランス人の朝食が日本人に比べてとてもあっさりしているため。パン1個にヨーグルト、もしくはシリアルだけと、朝から料理をしないフランスでは、朝食も軽めであることが一般的です。

【関連記事:フランスの食卓はランチが主役?意外と質素なディナー事情

「お昼前にお腹が空かないの?」とフランス人に聞いたところ、ほとんどの人が「空く」と言っていました。では朝食をもっとしっかり食べればいいのに……と思う筆者ですが、これもフランスの食文化。午前中の空腹はランチに持ち越し、というイメージです。
フランス家庭でのランチ風景
フランス家庭のランチ風景(帆立のバター焼きとライス)
週末になると、平日よりもさらに量と時間が増えます。家族や友人との食事会ではランチメニューも超豪華。お父さんやお母さんが料理に精を出し、日本の「宴会」のような食事風景になります。

やはり皆、人(ファミリー)が集まりやすいお昼に重点を置くのでしょう。特別な日のディナーを除けば、フランスの家庭で1日の主役となるのは、夕食よりもランチなのです。
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夕食は絶対頑張らない。「残り物」「レンチン」でもOKなフランス
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