前置き:大満足できるエンタメで万人におすすめ!だけど……
結論から申し上げれば、アニメ版が好きだった人には「原作に忠実でリスペクトと愛にあふれた実写版」として、そちらを知らない人にも「大人から子どもまで大満足のエンターテインメント」として大推薦できる傑作でした。実際に9月上旬現在、Filmarksでは5点満点中4.3点、映画.comでは4.2点と、2025年に公開された全ての映画の中でもトップクラスの高評価となっています。 後述する通り、アニメ版から受け継がれたテーマやメッセージは2025年の今に見るからこそ、より切実に響くものですし、大迫力のアクションは映画館のスクリーンで見る価値が間違いなくあります。
ただ、作品としての完成度がとてつもなく高いことを前提として、“忠実すぎる実写化”であるがゆえに、個人的には気になったところがあったのも事実です。
それは、元のアニメ版から決して少なくない人が「引っかかっていた」ことでもあり、たとえ100点満点マイナス1点程度のことであっても(だからこそ)、今回の実写版で解消されていなかったことが、もったいなく感じてしまったのです。その賛否も含めた議論には、意義があるでしょう。
前置きその2:4DXが超おすすめ!
本作は座席の動きなどさまざまな演出が楽しめる「4DX・MX4D」上映が行われており、こちらが作品との相性が抜群、いや一生ものの体験ができるので超絶おすすめします!何しろ、本作で最大の見どころなのは、「飛翔」シーン。ここで4Dの座席の激しい動きや「劇場全体を吹く風」の演出により、ジェットコースターのようなアトラクション感を超えた「本当にドラゴンに乗っている」夢のような体験ができるのです。 なお4DXには、MX4Dにはない「雨」「雪」「シャボン玉」の演出があり、その雨で劇中の水しぶきを見立てているほか、雪で「あるもの」を表現した演出も楽しいものでした。そのため、なるべくMX4Dではなく4DXを選ぶことをおすすめします(※4DXの一部では「雨」「雪」「シャボン玉」の演出はないのでご注意を)。
また、吹き替え版も素晴らしい出来栄えで、特に主人公・ヒックを演じた坂東龍汰が、表向きは冴えないようで、実は強い信念と勇気を持つ少年にぴったり。ベテランの声優陣にまったくひけを取らない名演をみせていました。普段は字幕派という人も、今回は吹き替え版を積極的におすすめします。 ただ、現在は『劇場版 鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』の4DXの本上映が行われていることもあって、『ヒックとドラゴン』の4DXの上映回は限りがあることにご注意ください。
大スクリーンと優れた音響で作品を楽しめる「IMAX」のほか、闇の中でドラゴンの炎が輝く場面が多いため「黒」が映える「ドルビーシネマ」で見るのもいいでしょう。
すっかり前置きが長くなりましたが、ここからはここからは称賛ポイントと、気になった点を見ていきましょう。



