海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン 第38回

SNSに「上から目線」があふれるのはなぜ?「祈りの絵文字」を使いたくなる日本ならではの事情

「上から目線」は日本特有の表現で、助言であっても「偉そう」と受け取られがちです。日本人はなぜ「言い方」に敏感なのでしょうか。(画像出典:Shutterstock.com)

絵文字は緩衝材の役割も!?(画像出典:Shutterstock.com)
絵文字は緩衝材の役割も!?(画像出典:Shutterstock.com)
SNSやニュースのコメント欄でよく目にする「上から目線」という日本特有の表現。ささやかな助言でさえ「偉そう」と受け取られることが少なくありませんが、日本人はなぜこれほどまでに言い方に敏感なのでしょうか。

日本語特有の謙譲表現やクッション言葉、絵文字文化、さらには英語における命令表現との違いなど、日本社会に根付く配慮の美学を通して、その背景について考察します。

「上から目線だけど、言いたいことは分かる」って?

「上から目線」という言葉を初めて聞いたのはいつのことだったでしょうか。ある時期からSNSやニュースサイトのコメント欄などで、この言葉を見かける機会が急増しました。

時には、相手を慮ったアドバイスや率直な意見に対しても、「偉そうだ」「自分が正しいと思ってるんでしょ?」といったネガティブな反応が見られることも珍しくありません。

ヨーロッパに暮らす筆者自身、日本人観光客に向けて「気を付けた方がいいポイント」を簡潔にまとめた記事を書いたところ、「上から目線だけど、言いたいことはよく分かる」という意見を受け取ったことがあります。

日本人はなぜここまで「上から目線」に敏感なのでしょうか?

上下関係に対する強い意識

日本社会は「年上の人には敬語を使う」「先輩を立てる」「お客さまは神様」など、年齢・役職、立場といった上下関係に非常に敏感です。

そのような環境で「こうした方がいい」といった率直な言い方をすると、たとえ悪意がなくとも、自分が“上の立場”から話しているように受け取られやすいのではないでしょうか。

特に日本では、人間関係は対等であるべきという感覚よりも、なるべく波風を立てずに(上下)関係を保つことが重視されるため、わずかでも上から言われたと感じると、関係性にひびが入ったと捉える人が少なくないのかもしれません。
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英語の命令形を日本語にするとこうなる
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