【異変!】高校受験、「中1・中2スタート」が新常識に? 保護者が焦る、その理由

2026年度から私立高校の授業料無償化が全国に導入される予定です。これにより、私立高校を受験する際の経済的なハードルが下がり、高校の選択肢が大きく広がります。この大きな変化を見据え、早期から情報収集を行う家庭が増えています。(画僧出典:PIXTA)

私立中学受験への波及と公立高校の行方

さらに、この無償化の動きは、私立高校受験だけでなく、私立中学受験のエスカレートにまでつながる可能性があると松島さんは指摘します。

「特に東京の場合、高校受験での入学枠が極端に減ります。中高一貫校が増えているため、私立の上位校に入るには中学受験が必須となる傾向があります。高校授業料が無償化されれば、中学の授業料負担だけで済むと考え、中学受験を検討する家庭が増える可能性も出てくるでしょう」

このように、無償化は私立高校受験、そして私立中学受験までもエスカレートさせる要因となり、保護者の悩みはさらに深まることが予想されます。

また、私立高校がより選ばれる状況が強まる中で、「公立高校がどうしていくのか」という点も大きな課題です。文部科学省は公立高校の将来的なあり方を示す「高校教育改革に関するグランドデザイン」(仮称)の中間まとめを8月中に行う予定ですが、そこで統廃合を加速する方針が示されるかもしれません。

これがさらに公立離れを加速させ、私立人気を押し上げ、ますます競争をエスカレートさせていく可能性も秘めています。
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松島伸浩さん プロフィール
スクールFS代表の松島伸浩さん
松島伸浩さん
ス‌クー‌ル‌FC代‌表、‌花‌ま‌る‌グ‌ルー‌プ‌常‌務‌取‌締‌役。‌の‌べ‌1万件‌以‌上‌の‌受‌験‌相‌談‌や‌教‌育‌相‌談‌の‌実‌績‌。保‌護‌者‌か‌ら‌の‌絶‌大‌な‌支‌持‌を‌得‌て‌い‌る。子‌育‌て‌講‌演‌会、‌教‌育‌講‌演‌会‌は‌定‌員‌の‌た‌め‌抽‌選‌に‌な‌る‌ほ‌ど‌人‌気‌。‌現‌在‌も‌現‌場‌で‌指‌導‌し‌て‌い‌る。‌ ‌『算‌数‌嫌‌い‌な‌子‌が‌好‌き‌に‌な‌る‌本‌ ‌小‌学‌校‌6‌年‌分‌の‌つ‌ま‌ず‌き‌と‌教‌え‌方‌が‌わ‌か‌る』‌(カ‌ン‌ゼ‌ン)‌な‌ど‌の著‌書‌がある。‌ ‌

この記事の執筆者:前屋 毅 プロフィール
1954年、鹿児島県生まれ。法政大学卒業。立花隆氏、田原総一朗氏の取材スタッフ、『週刊ポスト』記者を経てフリーに。最新刊『学校が合わない子どもたち~それは本当に子ども自身や親の育て方の問題なのか』(青春新書)など著書多数。
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