(質問)
いつかは地元に帰りたいと思っています。今の仕事、いつまで続けるべきでしょうか。
(回答)
いつかは地元へ帰りたい場合は、まず帰りたい時期を明確にすることが大切です。その上で、地元で何をしたいかを整理し、今の仕事を続けるべきか、あるいは新しい準備を始めるべきかを考えていきましょう。
詳しくは以下で解説します。
まずは、帰る「時期」を明確にして逆算しましょう
「いつかは地元に帰りたい」——漠然とそう考えている人も多いのではないでしょうか。独立行政法人 労働政策研究・研修機構が行った調査によると、「出身市町村へ戻りたい・やや戻りたい」と考える人は約45%にのぼります。都市の喧騒(けんそう)から離れて心穏やかに暮らしたい、子育ては親の近くで、あるいは地域に貢献したいなど、地元への思いは人それぞれ。でも、「いつか」のままだと、なかなか具体的な一歩が踏み出せないものです。
Uターンを考えるなら、まず「いつ頃、地元に戻りたいのか」を具体的にイメージすることから始めましょう。5年後? 10年後? それとも、もっと近い未来? 時期が明確になれば、そこから逆算して「今、何をすべきか」が見えてきます。
今の仕事、いつまで続ける? 「地元で何をしたいか」がカギ
さて、本題の「今の仕事をいつまで続けるべきか」という問いですが、その答えは「地元で何をしたいか」によって大きく変わってきます。もし地元に、今のあなたの「強み」(スキルや経験、専門知識など)を存分に生かせる仕事、あるいは希望する職種や業界があるなら、今の仕事でさらにその強みを磨き、具体的な実績を積み上げることが何よりの準備になります。
一方で、「地元に戻ったら、新しいことにチャレンジしたい」と考えているなら、早めの準備と情報収集がカギになります。今の仕事で得られるスキルが直接生かせない可能性があるため、新しい分野の知識を学んだり、関連する資格を取得したり、副業で経験を積んだりすることも検討してみてください。
いずれの場合も、地元にどんな仕事があるのかしっかり調べ、それを見据えた準備をすることが大切です。
そして、「地元に帰りたいけど、今の会社を辞めたくない」という場合は、現職のままUターンできないかを会社と相談するのも1つの手です。リモートワークや地方拠点への異動など、会社が柔軟な働き方を検討してくれる可能性は十分にあります。
人事担当者や直属の上司に、まずは正直な気持ちを伝えてみましょう。「前例がないから無理」と諦める前に、まずは対話の機会を持つことが大切です。
地元での仕事探しと、後悔しないためのリアルな視点
地元での仕事探しは、一般的な転職サイトや転職エージェントの活用以外に、以下のような方法も有効活用できます。・ハローワークや地元の求人サイト
地域に特化した求人が多く掲載されているため、まずはここで基本的な情報源をチェックしましょう。
・地域の商工会議所や移住支援センター
地方自治体が運営する移住相談窓口や、地域の商工会議所では、地元企業の情報や就職支援を行っている場合があります。地域ならではのネットワークで、非公開求人に出会える可能性もあります。
・SNSやWebコミュニティーの活用
Facebookの地域グループやUターン・Iターン支援のWebサイトなど、オンラインのコミュニティーで情報交換したり、地元の企業やそこで働く人の情報を集めたりするのもいいでしょう。地元出身の知り合いに話を聞いてみるのも有効な手段です。
そして、忘れてはいけないのが、地方移住のデメリットも存在するという現実です。都心と比べて公共交通機関が不便だったり、娯楽施設が少なかったり、医療機関の選択肢が限られたりすることもあります。収入が都心より下がる可能性も考慮に入れなければなりません。
特に、ご家族がいる場合は必ず納得がいくまで話し合いましょう。子どもの教育環境、パートナーの仕事、親の介護など、家族それぞれの希望や不安を共有し、納得した上で進めることが、後悔しないUターンへの第一歩となります。
Uターンは大きな決断ですが、計画的に準備を進めれば、きっとあなたの理想のライフスタイルに近づくでしょう。焦らず、でも着実に、今日から小さな一歩を踏み出してみてください。



